「石破降ろし」閣僚に波及=法相、総裁選前倒し要求―国会議員4割賛成か

 鈴木馨祐法相は5日、自民党総裁選の前倒しを求める考えを自身のブログで表明した。現職閣僚としては初めて。副大臣・政務官に相次ぐ「石破降ろし」の動きが広がり、石破茂首相(党総裁)は一段と厳しい立場に追い込まれた。国会議員の4割ほどが前倒しを要求する意向とみられ、8日の結果判明を前に緊張が高まっている。
 鈴木氏は麻生派所属で、会長の麻生太郎最高顧問は要求書面を提出すると明言している。鈴木氏は5日午前に首相と首相官邸で会談した後、「信頼回復のためにも党が一致結束し、ゼロから出直すことが必要だ」と投稿した。自身の進退には言及しなかった。
 麻生氏は5日夜、茂木敏充前幹事長と東京都内で会食した。麻生派と旧茂木派は臨時総裁選実施の賛同者が多数を占めており、現在の情勢と今後の対応を巡り意見を交わしたもようだ。
 中堅・若手の間でも前倒し派の動きが活発化。衆院当選2回の議員は国会内で会合を開き、出席者の一人は「同期26人のうち2、3人を除き賛成だ」と説明した。衆院5回生議員も対応を協議。ベテランや参院側にも同調者が拡大している。
 一方、阿部俊子文部科学相は記者会見で、臨時総裁選の実施を求めない立場を明らかにした。
 動向が注目される小泉進次郎農林水産相は前倒しへの賛否を会見で問われ、「首相もこのままでいいと思っているわけではない」と述べるにとどめた。ただ、最近は「解党的出直し」に言及しており、首相に自発的辞任を促したとの見方が出ている。
 臨時総裁選は、衆参両院議員295人と47都道府県連代表各1人の総数の過半数(172)が要求すれば実施される。
 党本部は8日午後3時までに意思を示すよう地方組織に通知しており、5日も態度決定が相次いだ。茨城県連は要求する方針を正式に決め、岩手、東京、長野、三重の各都県連も賛同を決めた。岐阜、鳥取両県連は要求しないことを確認した。
 これにより、賛成は決定済みの北海道、栃木、兵庫、香川、愛媛、宮崎を含めて11都道県、反対は福島、岡山、大分と合わせて5県になった。国会議員にとって地元の意向は無視できない要素のため、最終的な判断に影響しそうだ。 
〔写真説明〕閣議に臨む石破茂首相(中央)ら=5日午前、首相官邸

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