第79話 親から子への贈りもの

株の神様から投資の極意を教えてもらっているTさんは、そのエッセンスを、奥様のA子さんはじめ、高校生の娘Y、中学生の息子Sにも伝えています。お金の話は社会を「生き抜く力」として重要であるにも関わらず、学校ではなかなか教わらないので、家族にとっても新鮮なようです。家族団らんの時間も何かと投資の話になります。

A子: おとなりのM美ちゃん、小学1年生で、入学当初はランドセルに引きずられそうな感じで小さくて可愛かったけど、2学期も半ばになると、すっかり背中のランドセルが馴染んでいて、お姉さんになったわ〜

Y: ランドセルって、なんだか毎年、色のバリエーションが増えたり、カラフルになっていたりして、いいなぁー、って思う。

S: 色は僕らの頃も結構選べたけど、今は、刺繍の模様を入れたり、表側や背中の部分、それに中の色と材質をカスタマイズで選べたり、「自分だけのオンリーワン」ランドセルができるみたいだよ。

T: 以前は、百貨店や専門店で買うのが一般的だったけど、最近はブランド工房ランドセルが人気を集めているようだね。毎年新モデルを投入し、材質や作り方にこだわりを見せ、子供に人気のようだね。ブランド工房は、インターネット通販が主流だけど、ある人気工房では発売当日にあまりにアクセスが集中してしまい、サーバーがパンクするケースもあったそうだよ。

Y: 子供に人気というより、親が熱心なんじゃないかしら(笑)

A子: 値段もどんどん高くなっているわよね。最高級の素材コードバンは、馬のお尻の皮を使うそうで、馬1頭からランドセル2個分しか作れないんだって。それを工房の職人が一針一針手縫いするので10万円を超える高級品になるそうよ。

T: 少子化で、「6ポケット」と言われるように、パパとママ、それに、それぞれの祖父母の最大6つのお財布があり、子供一人当たりにかけられるお金は増えている家族も多い からね。わが子、わが孫に、他の子と比べてかっこいいもの、可愛いいもの、一番良い物を持たせてやりたいという思いはいつの時代も変らないけど、ランドセルはとりわけその気持ちが色濃く出るかもしれない。そこを狙った上手な企業戦略だね。

S: ぼく、ランドセルに10万円かけてもらうなら、安いのでいいからその分お金をもらった方が嬉しいな(笑)

Y: すぐに使っちゃって、何に使ったかもわからなくなっちゃうから、あげる方は嬉しくないんじゃない?(笑)

A子: そうよ、あなたのランドセルはおじいちゃんとおばあちゃんが買ってくれたんだけど、「勉強を頑張ってね」という思いが込められていて、毎日使ってもらえるから嬉しいのよ。

T: 投資の世界では、お金の出し手と子ども、両方にとって嬉しい仕組みがあるよ。

S: へえー、どんなの?

T: 「ジュニアNISA」という制度で、未成年者を対象に、上場株式や投資信託等の購入から得られる値上がり益や配当金等が最長で5年間非課税。投資額は年間80万円が上限。ただし、18歳までに払い出してしまうと課税されてしまうんだけどね。

A子: つまり、子供や孫に対して、年間で80万円の投資のプレゼントができて、そこから生まれる値上がり益や配当の収益は5年間非課税 になるってことね。

Y: 単純に80万円分を現金で渡すと、子どもが使ってしまうから、親が代わりに管理して、あとでプレゼントする感じなのね

S: 子供のうちは、ムダ遣いも多いし、使い込むことができないようになっているんだね(笑)

T: 実はふたりのために、この仕組みを使って将来の贈り物を考えているんだけど、二人の意見も聞いて、投資先を決めようかと思うんだ。

S: それじゃ、真剣に良い会社を探さないと!

Y: 自分のリサーチ次第で、将来もらえる金額が変わってくるなんて、なんかワクワクするわね!!

(次回12/6に続く)

提供:いちよし証券
「兜のささやき」全話はこちら
○当記事は各種の信頼できると考えられる情報をもとに作成しておりますが、その正確性・完全性を保障するものではありません。
また、今後予告なく変更される場合があります。

商号等/いちよし証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第24号
加入協会/日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会