「ジュエ」氏、初の外遊同行=後継教育との見方も―北朝鮮

 【ソウル時事】中国を訪問した北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記に、キム・ジュエ氏とされる娘が同行していることが判明した。正恩氏の外遊にジュエ氏が同行するのが確認されるのは初めて。外交経験を積ませ、「後継者教育」をしているとの見方が出ている。
 ジュエ氏の同行は、朝鮮中央通信が2日に配信した正恩氏の北京到着時の写真によって明らかになった。中国側の出迎えを受ける正恩氏の後ろにジュエ氏の姿があった。
 ただ、3日の「抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年」を記念する軍事パレードで、ジュエ氏の姿は確認されていない。韓国メディアは、ジュエ氏が過度に注目を集めないよう、北朝鮮が中国に配慮したとの観測を伝えている。
 ジュエ氏は2022年11月、正恩氏の大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射の視察に同行する姿が北朝鮮メディアで初めて報じられ、「後継者説」が浮上。その後もミサイル発射に立ち会ったり、軍需工場の視察に同行したりする姿がたびたび伝えられてきた。
 今回の同行について、韓国の鄭成長・世宗研究所副所長は、「正恩氏はジュエ氏に外交の『授業』を受けさせている」と指摘。同時に、「国際社会に対し、ジュエ氏が自分の後継者になると強く示唆する」意図があると語った。
 梁茂進・北韓大学院大前総長は「来年1月にも開催が予想される第9回党大会で後継者内定を確定する可能性がある」と分析。一方で、まだ幼いため、党の公式の肩書を得るまでには7、8年かかるのではないかと予測した。 
〔写真説明〕2日、北京に到着し、中国共産党の幹部らから出迎えを受ける北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(中央右)とキム・ジュエ氏とされる娘(右から3人目)(AFP時事)
〔写真説明〕北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(右)とキム・ジュエ氏とされる娘=2024年5月、平壌(AFP時事)

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