フジ、港前社長らに賠償請求=50億円、中居氏問題で損害

 フジテレビは28日、港浩一前社長と大多亮元専務を相手取り、50億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。元タレント中居正広氏の性加害問題を巡り、両氏が事実関係の調査や対策を怠った結果、フジが約453億円の損害を被ったとして、一部の支払いを求める。親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)が発表した。
 中居氏に関する問題は昨年12月に表面化。調査した第三者委員会は今年3月に公表した報告書で港、大多両氏がコンプライアンス(法令順守)部門とトラブルの情報を共有せず、中居氏の番組出演を継続させたことについて、「極めて思慮の浅い経営判断の誤り」と断じた。
 問題発覚後、スポンサー企業がCMを差し止める動きが広がってフジは広告収入が激減した。フジHDは2025年3月期連結純損益が初の赤字に転落。広告収入の回復が遅れ、26年3月期も本業のもうけを示す営業損益は120億円の赤字を見込んでいる。
 港氏は出席メディアを限定した記者会見などが批判された後の今年1月下旬に社長を辞任。大多氏は4月、フジ系列の関西テレビ社長を辞任した。
 フジHDは提訴について、「人権とコンプライアンスを最重要とする企業風土を確かなものにするために、責任追及が不可欠だと判断した」とのコメントを発表した。 
〔写真説明〕フジテレビのロゴマーク=6月25日、東京・お台場
〔写真説明〕フジテレビ元社長の港浩一氏=1月27日、東京都港区
〔写真説明〕フジテレビ元専務の大多亮氏=4月4日、大阪市北区

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