
【ワシントン、シリコンバレー時事】経営不振に陥っている米半導体大手インテルは22日、米政府が同社に約89億ドル(約1兆3000億円)を出資すると発表した。株式の9.9%を取得する。トランプ大統領はこれに先立ち、インテルが出資に「同意した」と記者団に表明した。インテルの米国内での生産拡大を支援する狙いだ。
米政府はインテルの普通株を1株当たり20.47ドルで4億3330万株取得する。バイデン前政権下の半導体補助金法で交付が決まっていた資金を充て、交付済みの約32億ドルと未支給の約57億ドルで賄う。経営を巡って株主の同意が必要となった場合、例外を除き、取締役会に賛同する。
インテルの2025年4~6月期決算は6四半期連続の赤字。米エヌビディアなどが先行する人工知能(AI)半導体の開発競争の出遅れが響いた。半導体受託生産事業の落ち込みも続いている。
トランプ氏は「素晴らしいディール(取引)だ」と強調。ラトニック商務長官は「歴史的な合意が半導体における米国のリーダーシップを強化する」とSNSに投稿した。
〔写真説明〕ラトニック米商務長官(左)とインテルのタン最高経営責任者(CEO)(ラトニック氏のXより・時事)