
日米関税交渉の合意から約1カ月が経過した22日、政府は関係省庁による業界団体や地方への説明会を本格的に始めた。農林水産省では、農林水産品や食品分野の関係者に合意内容を説明。経済産業省も同日、武藤容治経産相が岐阜県を訪問し、経済団体や事業者と意見交換を行った。
農水省で開かれた説明会には、オンラインも含めて計約600人が参加した。小泉進次郎農水相は冒頭、「現状を正しくご理解いただき、これからの取り組みを自信を持って前に進めてもらいたい」とあいさつ。トランプ米大統領が関心を示していたコメの扱いに関しては、「輸入する総量が増えることはない」と強調。無関税で輸入するミニマムアクセス(最低輸入量)枠内での対応であるとして、理解を求めた。
一方、日本側の説明と異なり、従来の税率が15%以上の品目に相互関税が上乗せされ、牛肉などに大幅な高関税が課されている状況に関し、農水省は米国が「適時」に修正すると説明。ただ、「詳細はまだ明らかにされていない」(幹部)として引き下げ時期などを明示しなかった。
岐阜県の意見交換会では、武藤経産相が「関税というピンチを新たな市場開拓のチャンスに変えるべく連携して支援する」と述べ、中小企業への追加支援策を検討する考えを示した。
〔写真説明〕日米関税合意に関する説明会であいさつする小泉進次郎農林水産相=22日午後、農水省