闘鶏ギャンブルで比政財界食い込む=特殊詐欺に関与、ルフィGとも接点―左手に入れ墨・JPドラゴン

 フィリピンを拠点に特殊詐欺に関わったとして窃盗罪に問われた小山智広被告(51)は、同国を拠点とする犯罪組織「JPドラゴン」の幹部だった。
 捜査関係者によると、JPドラゴンは同国の富裕層や政治家が好む闘鶏ギャンブルを現地で運営して、政財界にネットワークを拡大した。現地の警察官を護衛として雇うとともに、風俗店や飲食店の経営のほか、日本人を狙った特殊詐欺などで資金を獲得。現在もフィリピンで活動を続けているメンバーがいるとみられる。
 福岡県警が窃盗容疑で逮捕状を取った吉岡竜司容疑者(55)=フィリピンで現地当局が拘束中=がリーダーで、小山被告ら十数人が所属するとされる。メンバーは、左手の親指の付け根に「JP DRAGON」と入れ墨があり、おれおれ詐欺や投資詐欺、ロマンス詐欺など次々と手口を変えて犯罪を敢行。「警察官をかたってだます手口が多かった」(捜査幹部)という。
 同じくフィリピンで特殊詐欺に手を染め、後に指示役らがルフィと名乗る広域強盗事件を起こした犯罪組織との接点も少なくない。
 小山被告は、ルフィグループ幹部今村磨人被告(41)=強盗致死罪などで起訴=らと同じ北海道の出身。かつて同じ特殊詐欺グループで活動していたが、互いにグループへの不満を抱える中で、関係を深めたとされる。
 JPドラゴンがルフィグループに送金を依頼したり、犯罪に使う名簿を渡したりと友好関係にあったが、時に対立。同グループ幹部の小島智信被告(47)=一審懲役20年=は自身の公判で「JPドラゴンのメンバーがルフィグループ幹部に『逮捕状が出ている』と虚偽情報を伝えて仲裁名目で約5500万円をだまし取ったり、かけ子メンバーを乗っ取ったりした」という趣旨の話をした。
 関係者によると、小山被告は2023年2~3月、弁護士を使って警視庁原宿署の接見室に持ちこませたスマートフォンを通じ、勾留中の今村被告とアクリル板越しに通話。「JPドラゴンのシノギ(仕事)について余計なことを言うな」と口止めもしていた。 
〔写真説明〕吉岡竜司容疑者、犯罪組織JPドラゴンリーダー(フィリピン入国管理局提供)

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