米イスラエルが代表団引き揚げ=ガザ停戦交渉、妥結遠のく

 【カイロ、ワシントン時事】パレスチナ自治区ガザの停戦交渉に関し、イスラエルと仲介国の米国は24日、それぞれ自国の代表団を交渉地カタールから引き揚げることを決めた。トランプ米大統領は25日、「取引を成立させようと望んでいなかった」とイスラム組織ハマスを批判。組織指導部は「追い詰められることになるだろう」と警告した。期待感が高まっていた交渉の早期妥結は遠のいた。
 ハマスはこれまでに、米国などが提示した60日間の停戦案について回答。ただ、停戦中のイスラエル軍の駐留範囲などに関して修正を要求するなど、受け入れに条件を付けたとされる。
 イスラエルのネタニヤフ首相は24日、ハマスが示した「降伏のような条件」をイスラエルが受け入れると考えているならば「大きな誤りだ」と強調。イスラエル首相府は同日、ハマスの回答を受け、カタールにいる代表団を「内部協議」のため帰国させると発表した。ただ、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、イスラエル当局者は代表団の引き揚げは交渉決裂を意味しないとの見方を示した。
 米国のウィトコフ中東担当特使も24日、SNSで「ハマスが利己的な動きを示したのは恥だ」と非難。「人質を取り戻し、ガザ市民にとってより安定的な環境を構築するための代替の選択肢を考える」と語った。
 一方、イスラエルのメディアは25日、同国軍がヨルダンとアラブ首長国連邦(UAE)によるガザ上空からの支援物資投下を許可する方針だと伝えた。ガザでは7月に入り栄養失調での死者が急増している。物資搬入を制限するイスラエルへの国際的批判を受けた措置とみられる。
 スターマー英首相は、独仏両国の首脳と25日に電話協議を行うと発表。「(ガザでの)殺害を止め、人々が食料を得られるようにするために、われわれができる緊急的な政策を議論する」と述べた。 
〔写真説明〕米国のウィトコフ中東担当特使=16日、ワシントン(EPA時事)

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