白亜紀の海、イカだらけ=新手法で化石大量発見―北大など

 北海道大などの研究チームは12日までに、岩石内をCTのように輪切り状に撮影する新手法で、白亜紀後期(約1億~7000万年前)の岩石からイカの仲間の化石を大量に発見した。硬い組織が少ないイカ類化石はほとんど発見例がなく、進化や繁栄の過程が不明だったが、成果は白亜紀の海がすでに、魚類やアンモナイト類をしのぐ「イカだらけの海」だったことを示しているという。
 イカ類は硬い「くちばし」が残る可能性はあるものの、サイズが小さい上にもろいため、化石を取り出すのは難しかった。
 北大の伊庭靖弘准教授らは、ナノメートル単位で化石が含まれる岩石の研磨・撮影を繰り返し、内部構造を高解像度のフルカラーでデジタル化する「デジタル化石マイニング(採掘)」と呼ばれる手法を新たに開発。道内の白亜紀の地層から産出した岩石を調べた。
 その結果、計1000個のくちばし化石を発見。うちイカ類が263個(平均3.8ミリ)で、全40種のうち39種は新種だった。最も古い化石は約1億年前のもので、それ以前の地層からは見つからないため、この時期にイカ類が発生し、約600万年の間に急速に多様化したことが明らかになった。
 また、岩石に含まれる同時代の魚類やアンモナイト類の化石と比較し、個体数や大きさを推定したところ、白亜紀後期の海では、繁栄していたことが知られているアンモナイトを上回るイカ類が生息していたと分かった。 

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