
<資生堂・JAL レディス 事前情報◇2日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川県)◇6766ヤード・パー72>
「初優勝を果たしたコースでもありますし、おととしは2位になった大会でもあるので、すごく思い入れがあります」。桑木志帆が、悔しさと喜びが入り混じる思い出の地に戻ってきた。2023年大会では櫻井心那とのプレーオフで敗れたが、昨年はそのリベンジとなるツアー初優勝を飾った。
今週は初めてディフェンディングチャンピオンとして挑む。「去年優勝したことでプレッシャーはあります。あまり感じていないつもりだったんですけど、この大会に来てからすごく意識しています。いい意味で自分に期待せず、頑張っていこうかな」と、これまでにない緊張感を口にした。
さらに「いまは調子が良くない」とパッティングの不調も告白し、「連覇はあまり意識していない」と胸の内を明かす。
パターに関しては、「先週から全然打てていない。しっかりストロークしているつもりでも、1メートルぐらいショートする」と距離感のズレを実感。イメージと実際の転がりの「ギャップが全然埋まらなくて、不安を抱えながらラウンドしている」と課題を率直に語った。
その不安を解消するため、火曜日から新たな練習を取り入れている。それが、ボールを一定のスピードで転がす練習器具『パーフェクトパター』を用いた方法だ。
まず、同器具で打ちたい距離を設定。そして同器具の横に立ち、ヘッドをテイクバックを上げた状態で固定する。ボールが器具の傾斜を転がってきたら、「インパクトの時、ヘッドの真下に(ボールが)来るように」タイミング良くヘッドを動かす。
この練習の目的は「いいイメージを作る」ことにある。「調子が悪くなると、転がりやラインのイメージが出なくなってしまう。この練習は、グリーンのスピード感に合った転がり、ストローク、スピードに繋がる。打ち出しと目線、タッチも合います」と、手応えを得ながら調整に励んでいる。
ショットについては「可もなく不可もなく」としつつも、今季のトータルドライビング部門では1位。「ティショットは割と真っすぐ飛んでいる。すごく安定していると思います」と安心材料もあるからこそ、本戦ではパッティングに“全集中”だ。
今季は出場11試合中、トップ10入りが7回と安定感も抜群。いつ今季初優勝がきてもおかしくはない。「もちろん2年連続優勝できたらいいなと思いますけど、それは意識せず、目の前の一打に集中して頑張りたい」と意気込んだ。好調なショット力を生かし、思い出の舞台で初の連覇をつかみたい。(文・高木彩音)