期限切れ保険証でも受診容認=混乱回避で来年3月末まで―厚労省

 マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」への本格移行に伴い、有効期限切れで失効した従来型の健康保険証での受診について、厚生労働省が暫定的に来年3月末まで認める方針であることが30日、分かった。マイナ保険証への切り替えなどを熟知していない高齢者らが保険診療を受けられず、医療現場が混乱する事態を防ぐ必要があると判断した。
 同省は27日付で都道府県や医療関係団体に通知した。マイナ保険証の利用率は5月末時点で29.30%にとどまる。同省担当者は「医療現場の柔軟対応を認める」としているが、期限切れ保険証の使用を認めることは、マイナ保険証の普及がさらに遅れる要因になる可能性もある。
 これまでは、本格移行に伴い、保険診療を受けるには原則としてマイナ保険証か、マイナカードを持っていない人に発行される「資格確認書」を提示する必要があるとしていた。従来型の保険証が使用できるのは最長で12月1日まで。多くの自治体では、自営業者らが入る国民健康保険の保険証が8月から順次失効する。
 ただ、高齢者らの間で混乱も予想されることから、患者が期限切れの従来型保険証のみを持参した場合でも、一定の負担割合で保険診療を受けられる暫定対応を取ることにした。期限切れ保険証を持参した患者には、次回以降、マイナ保険証や資格確認書で受診するよう医療機関を通じて呼び掛ける。 
〔写真説明〕保険証と診察券(資料)

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