JERA、米からLNG新規調達=20年で7兆円超、関税交渉プラスも

 国内最大の発電会社であるJERA(東京)は12日、米国から年間最大約550万トンの液化天然ガス(LNG)を新規調達すると発表した。LNGを開発する米企業4社と売買に関する契約や基本合意を締結。契約期間は3社は20年間、1社は20年以上で、取引金額は総額で500億~600億ドル(約7兆~9兆円)規模となる。
 米国産LNGの輸入拡大は、2月の日米首脳会談で合意していた。12日にオンライン記者会見したJERAの津軽亮介常務執行役員は「調達の判断は日米両政府の要請を受けたものではない」と説明したが、正念場を迎えている日米関税交渉で、米貿易赤字削減に貢献する交渉カードとなりそうだ。
 今回の新規調達量は、JERAのLNGの年間取扱量約3500万トンの15%程度で、新たな契約により日本のエネルギーの安定供給の確保に貢献する。早ければ2029年に供給を開始し、30年代前半にも最大550万トンの輸入を実現する。JERAの米国からのLNG調達比率は約1割から3割程度に上がる。20年程度の長期契約により安定した価格での調達実現につなげる。
 また、日米交渉で浮上しているアラスカでのLNG開発計画について、津軽氏は「地理的優位性と豊富な埋蔵量から日本を含むアジアの安定供給に資する案件と評価し、(調達を)検討している」と明らかにした。その上で「(米側から)詳細な情報が提供されるのを待っている」と述べた。 
〔写真説明〕国内最大の発電会社JERAのロゴマーク

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