
農林水産省は2日、全国のスーパーで5月19~25日に販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が、前週より25円安い4260円だったと発表した。3週ぶりの値下がり。競争入札で落札された備蓄米が市場に徐々に行き渡り、放出の効果が出始めたとみられる。ただ、流通のペースは遅く、前年同時期の約2倍の水準で高止まりが続いた。
調査は全国のスーパー約1000店舗のデータに基づく。
政府は4月までに計約31万トン分の備蓄米を対象とした入札を実施。備蓄米はブレンドされて店頭に並ぶケースが多く、農水省はコメの販売数量に占めるブレンド米の割合の推移を公表している。それによると、ブレンド米の比率は前週から2ポイント上昇して36%になった。
備蓄米ブレンドのコメの比率が高まれば、価格全体の引き下げの期待につながる。今回はブレンド米の広がりが、産地や品種が単一の「銘柄米」の販売を抑制した形だ。
小泉進次郎農水相は、備蓄米の売り渡し方法を競争入札から随意契約に切り替えた。既に随意契約分の一部は、小泉氏の目指していた「5キロ2000円」で販売が始まり、完売が相次ぐ。今後、一段と安くなった随意契約分が順調に出回るかが、全般の価格押し下げを左右することになる。
〔写真説明〕「イオンスタイル品川シーサイド」で陳列される政府が随意契約で放出した備蓄米=1日、東京都品川区