
東京都議選(6月22日投開票)まで1カ月を切り、都内各地にポスターの掲示板が設置され始めた。50人超が出馬した昨年の都知事選のような事態への備えや、直後に控える参院選での活用を見据え、約70枠分の巨大な掲示板を用意する自治体も。市区町村のある担当者は「候補者数の予測が難しい」と話している。
昨年の7月に行われた都知事選では、過去最多となる56人が出馬。各市区町村が準備した掲示板は48人分しか枠がなかったため、ポスターが張れなくなる候補者も出た。届け出順が49人目以降の人はクリアファイルや画びょうで掲示板の枠外に並べる異例の対応に追い込まれた。
都選管によると、都議選と参院選が重なった2013年に最も多く準備した自治体で30枠だ。「立候補者は確実に増えている」(都担当者)中、都は3月、市区町村にポスター掲示板のレイアウトを例示。新党の動きなどを踏まえ、参院選にも活用する場合は72枠程度確保するように伝えた。
掲示板の設置方法は市区町村に判断が委ねられているが、杉並区は経費削減も兼ねて都が例示した72枠を確保。参院選用に72枠を設けた上で、都議選向けに27人分を印刷した別の薄い板を全体に重ねた。都議選終了後に薄い板をはがすが、余白が多い巨大掲示板になった。
渋谷区は、参院選用の掲示板の右側部分に、ベニヤ板で作製した都議選分を上から張った。有権者の混乱を避けるため、都議選期間中は使用しない参院選の部分は隠す予定だ。設置場所の関係で、64枠分しか用意できず、不足した場合は外枠上部に1段増やして対応するという。
今回の都議選は公職選挙法の改正でポスターの品位保持規定が初めて適用される予定で、都選管はこうした制度の紹介や注意喚起にも追われている。
〔写真説明〕東京都杉並区内に設置されたポスター掲示板=23日午後
〔写真説明〕東京都議選を前に設置された候補者のポスター掲示板=27日午前、東京都渋谷区