東京~川崎を接続し混雑緩和!2025年開通予定が5年延期した「等々力大橋」工事は今どうなってる?

東京都と神奈川県の間を流れる多摩川に、新たな橋梁「等々力大橋(仮)」が建設中です。ただこの橋は、2023年8月17日に、当初2025年だった開通予定を5年延伸して2030年度末とする方針を川崎市が明らかにしています。どうしてここまで大幅に延期したのでしょうか。

本来は2025年に完成予定だった

 東京都と神奈川県の間を流れる多摩川に、新たな橋梁「等々力大橋(仮)」が建設中です。ただこの橋は、2023年8月17日に、当初2025年だった開通予定を5年延伸して2030年度末とする方針を東京都と川崎市が明らかにしています。どうしてここまで大幅に延期したのでしょうか。

 この橋は、第三京浜の約1km東側を通る目黒通りの延長線上に建設されます。一般道としては、二子橋(国道246号)と丸子橋(中原街道)のちょうど中間にあたります。両橋は5kmも離れているため、新たな橋の開通による混雑分散に期待がかかっています。

 川崎市に入ったあとは都市計画道路「宮内新横浜線」に接続し、将来的には新横浜駅まで直結する計画です。しかし多摩川の堤防周辺の事業は進展しておらず、ひとまず川崎側では堤防道路「多摩沿線道路」に丁字路で接続する形で先行開通となる予定です。

 工事は、すでに橋脚3本が完成しています。流水部分に立つ最後の1本も、2019年の「令和元年東日本台風」(台風19号)による出水により工事が一時ストップしていましたが、2023年に再開。今では足場も外れて橋桁が架かるのを待つばかりで、川崎側でも橋台が準備完了しています。ただ東京側の橋台が完成していないため、橋桁を渡すところまでは進んでいません。

 この件に関して元世田谷区議会議員で、現都議会議員の小松ダイスケ氏は2025年5月4日、自身のブログで「東京都側では、多摩堤通りの迂回路設置に必要な用地取得が約50%にとどまっており、工事の進行に影響を与えています」と明かし、これが橋開通への課題となっていると説明しました。また、前述の東日本台風による地形変化も、橋脚の施工方法に変更を加える必要が生じたために大きな影響があったとしています。

 一方、川崎側は、堤防から先の取付道路の用地取得の真っ最中で、2024年3月末時点で、取得率は59%となっているそうです。そのため、一部では道路の完成形を思わせる更地が見えるようになっています。

 等々力大橋は、東京都世田谷区と神奈川県川崎市中原区を結ぶルートの要ということで、新たな都心直結ルートとして大きな期待がかかっています。東京都はまず、堤防道路の移設工事を2026年度に完了させたい意向です。

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