元徴用工解決策、見直しに言及=魏聖洛氏、歴史問題「協力制約せず」―韓国大統領候補の李氏外交ブレーン

 【ソウル時事】韓国の革新系最大野党「共に民主党」の李在明前代表の外交ブレーン、魏聖洛国会議員が27日までに時事通信のインタビューに応じた。魏氏は、元徴用工訴訟問題で尹錫悦前政権が決めた解決策について、国民の意見集約が欠けており「できるならば補完しなければならない」と述べ、何らかの見直しが必要だと表明した。ただ、6月3日に行われる大統領選で李氏が勝利した場合、新政権は自由民主主義の価値を共有する米国や日本との協力を重視するとの見通しも示した。
 尹政権は元徴用工訴訟問題で、韓国政府傘下の財団が日本企業に代わって賠償金を支払う解決策を決定した。魏氏は「方向性は理解する」としつつも、「国民が支持することが難しい面もある」と指摘。「敏感な歴史問題であり、国民の意見を聞くプロセスが必要だった」と主張した。
 見直しに関する具体的な言及は避けたものの、「尹政権よりも歴史問題について議論する可能性はある」と述べた。しかし、安全保障などで日韓が「協力できることは多い」との立場も示し、「(歴史問題が)現在や未来の協力を制約することはない」と強調した。
 外交官出身の魏氏は、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議で韓国の首席代表や駐ロシア大使を務めた。政権を獲得した後の外交方針については「堅固な韓米同盟、日本との強力なパートナーシップ、韓米日協力が軸になる」と説明した。
 一方で、「尹政権は韓米日とそれ以外の関係を分離して対応した」と指摘。「中国やロシアとの関係は最悪の状態だ。韓国は地政学的に周辺国との関係を切り離すことが難しく、総合的対応が必要だ」と語り、中ロとの関係改善に意欲を示した。北朝鮮核問題の解決に向けては、米朝や南北、多国間の枠組みで交渉することが重要だと訴えた。 
〔写真説明〕インタビューに応じる韓国の革新系最大野党「共に民主党」の魏聖洛国会議員=25日、ソウル

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