
総務省消防庁は、屋外にテントを設置する簡易サウナの安全基準をまとめた。近年のサウナブームで利用者が急増していることを受け、狭い空間でストーブの熱がテントに引火するのを防ぐために必要なルールを示した。2025年度内に省令改正を行う方針だ。
サウナの設置基準は、消防法令を踏まえ、市町村の条例で規定している。現行は、浴場や宿泊施設の個室に固定式の放熱設備を設置することを想定。可燃物とストーブの間に一定のスペースを確保する必要があり、(1)可燃物の表面温度が100度を超えない(2)木材の表面温度が200~300度を超えない―が基準となっている。
ただ、テントや、たるの形をした木製の「バレル」を使った簡易サウナが普及。事業者などから、設置に関するルールを求める声が上がっていた。
消防庁は、簡易サウナ設備について、屋外などのテントやバレルに設置する最大出力6キロワット以下のまき・電気ストーブと定義。従来のサウナに比べて、熱が蓄積しにくく、低温着火の恐れが少ないことを考慮し、(1)、(2)のいずれかを満たすことを基準とする。
同庁は、メトス社(東京都中央区)のサウナ用テント「ICOYA(イコヤ)」と電気ストーブ「SM60」を使った検証実験を実施。ストーブの上方100センチ、周囲10センチの距離を確保してテントを設置すれば引火しないことを確認した。
同庁は防火対策として、風によるストーブの転倒を防止する措置のほか、異常時の熱源の遮断や自動消火など、安全を確保するための装置の設置なども求める方針。
〔写真説明〕総務省消防庁の検証実験に用いたテントサウナ(同庁提供)
〔写真説明〕バレルサウナに設置されたサウナストーブ(総務省消防庁提供)