
新潟県が地盤の第四北越銀行を傘下に持つ第四北越フィナンシャルグループ(FG)と群馬銀行は24日、2027年4月に経営統合することで基本合意したと発表した。金融業界は、「金利ある世界」への移行が進むほか異業種からの参入などで取り巻く環境が厳しくなっており、統合により事業の高度化や規模拡大を図り、競争力を高める。
両社トップは同日、東京都内で記者会見した。群馬銀の深井彰彦頭取は「経営の規模と質の両面で地銀トップクラスにステップアップを果たす」と強調。第四北越FGの殖栗道郎社長は、21年に発足した銀行同士の連携の枠組みが好調なことから「(得意分野を)融和させて新しい化学反応を生むことができる」と述べた。
統合は、株式交換により第四北越FGが群馬銀を完全子会社化し、持ち株会社として傘下に2行を置く。統合比率は決まり次第、公表する。持ち株会社の新名称や本店所在地は26年3月の最終契約時に決定する。傘下2行の合併は予定せず、それぞれの本店所在地に変更はない。
統合で広がる営業地盤を生かして事業承継やM&A(合併・買収)などでの提案力を高めるほか、大型案件への協調融資や海外ビジネス支援でも協力を深める。システムや本部機能の共通化も進める。
〔写真説明〕経営統合で基本合意し、撮影に応じる群馬銀行の深井彰彦頭取(中央左)と第四北越フィナンシャルグループ(FG)の殖栗道郎社長(同右)ら=24日午後、東京都港区
〔写真説明〕経営統合することで基本合意し、記者会見する第四北越フィナンシャルグループの殖栗道郎社長(左)と群馬銀行の深井彰彦頭取=24日午後、東京都港区