文元大統領、収賄罪で在宅起訴=娘元夫の航空会社採用巡り―韓国

 【ソウル時事】韓国南西部の全州地検は24日、文在寅元大統領(72)を収賄罪で在宅起訴した。文氏は大統領在任中の2018~20年、当時与党だった革新系最大野党「共に民主党」の李相稷元国会議員が設立した格安航空会社(LCC)に娘の元夫を不正に採用させたとされる。地検は、元夫に支給された給与や住居費計約2億1800万ウォン(約2200万円)が文氏への賄賂に当たると判断した。
 大統領経験者の起訴は、在任中に起訴された尹錫悦前大統領を含め、1987年の民主化後6人目。
 元議員も見返りに公団理事長の職を得たなどとして贈賄罪や業務上背任罪で在宅起訴された。地検は、元夫が航空会社での勤務経験や能力がないのにタイ法人の常務として採用され、「電子メールの送受信などの単純な補助業務だけを遂行し、常務にふさわしい労働を提供しなかった」と指摘した。娘と元夫は起訴猶予処分となった。
 地検は公務員である文氏が娘夫婦と事前に犯行を計画しており、「(娘夫婦が)賄賂を受け取れば、文氏にも収賄罪が成立する」と説明した。大統領府の秘書官らが娘夫婦のタイへの移住などに関与したという。韓国メディアによると、地検は文氏が失業中の元夫に生活費を支援していたが、不正採用によりその必要がなくなったとも主張した。 
〔写真説明〕韓国元大統領の文在寅氏(左)と革新系最大野党「共に民主党」前代表の李在明氏=2024年2月、南東部・梁山市(EPA時事)

externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)