千葉-茂原の「無料化された最短路」大変貌!? 渋滞しまくる“不完全な起点”スルー化すすむ 草が刈られて見えたモノとは?

2023年に無料化された旧「千葉外房有料道路」が大きく変化しそうです。ずっと不完全な状態だった起点「鎌取IC」を本来計画された姿に整備する事業が、“目に見えて”進展していました。将来はどうなるのでしょうか。

千葉東金道路の“裏街道”「旧千葉外房有料道路」が変革のとき!?

 東京都心部から千葉市に至る湾岸エリアと外房・九十九里海岸南部を結ぶルートとして誰もが思い浮かぶのは、「京葉道路」からつながる「千葉東金道路」です。ただ、その利便性から千葉東金道路は渋滞しがちなため、千葉東金道路とほぼ並行して走る「千葉外房有料道路」も、“裏街道”としての役割を長く担ってきました。この千葉外房有料道路は2023年2月に全線無料化され、より気軽に使える道路となっています。

 そして、この旧千葉外房有料道路の“不完全な”起点ICが2025年現在、大きく変わりつつあります。

 旧千葉外房有料道路は、千葉東金道路の大宮ICに近い千葉市緑区の鎌取ICから、茂原市の桂ICを結びます。無料化後は千葉県道67号生実本納(おゆみほんのう)線(以下、生実本納線)となりました。

 変わりつつあるのは、起点の鎌取ICです。この道路を茂原方面から走ってくるとき、鎌取ICは交通混雑時に大きな課題を抱えています。

 鎌取ICで本線は出口に向かい二手に分かれ、北に進む分岐は「平山大橋」交差点で千葉市道磯辺茂呂町線(以下、磯辺茂呂町線)に、西に進む分岐は「鎌取インター」交差点で千葉県道20号千葉大網線(以下、大網街道)にそれぞれT字で突き当たるという形状になっています。

 この磯辺茂呂町線と大網街道は、日常的に混雑しがちで、さらにこのふたつの道路が鎌取ICからすぐ北西の「赤井」交差点で交わるという構造から、交通混雑時は渋滞がこのエリア一帯に広がります。そのため有料道路時代から、鎌取ICを流出するクルマの通り抜けは、方向を問わず時間がかかり、無料化後には渋滞がいっそう悪化しています。

 この状況が、改善に向けて大きく動き出しています。千葉市が2024年8月、鎌取ICの改良工事「生実本納線(赤井町地区)整備事業」に着手しました。

「草ボーボーの森」が消えた…!

 じつは生実本納線は、鎌取ICの西側、「笹目沢橋北」交差点から西に進み、京成千原線、JR外房線を越え、千葉市中央区生実町の千葉県道66号塩田町誉田町線(以下、塩田町誉田町線)までの区間が整備済みです。そしてここから塩田町誉田町線を西に進むと京葉道路蘇我ICが至近です。

 今回の改良工事では、鎌取ICで西側に分岐するルートの上下線の間へ、新たに本線を建設し、鎌取インター交差点と笹目沢橋北交差点を立体交差でくぐり、生実本納線の整備済み区間との間を結ぶ680mが整備されます。

 この工事が完了すれば、鎌取ICまで上り線を進んできたクルマが磯辺茂呂町線、大網街道、そして塩田町誉田町線に分散することになり、赤井交差点を中心とした渋滞が大きく解消することが期待されます。

 では事業着手から約8か月後の2025年4月現在、現地の状況はどうなっているのでしょうか。実際に足を運んで確認しました。

 まず、大網街道と接続する鎌取インター交差点から西、生実本納線の本線方面です。かつては本線の上り線と下り線が鎌取インター交差点に向かうランプに分岐するあたりから、上下線の間には低木も含む荒れ地が広がっており、大網街道から見ると、上下線のランプの間は鬱蒼とした木々が広がるだけで、とても道路予定地とは思えない状況でした。

 しかし現在、これらの木々や雑草はきれいに刈り払われ、大網街道から東側、茂原方面に続く本線がきれいに見通せるようになりました。そしてあらたに刈り払われた区画には、重機が入り、路盤の整備に進んでいることをうかがわせます。

「あれ、トンネル見えるじゃん!」

 鎌取インターから西側も、同様に草木の伐採が進み、道路を通すために支障となる既存の設備の移設などが行われていました。

 一方、西側の生実本納線の整備済み区間との接続部となる笹目沢橋北交差点は、“沢”の文字が意味するとおりの沢地形です。交差点西側は路盤がいったん整備されたあと、盛り土が行われ状況がわからなくなっていましたが、現在は再び雑草や灌木の刈り払いが進んでいます。

 また交差点の東側、鎌取インター交差点方面は、そもそもの地形がわからないくらい木々に埋め尽くされていましたが、大きく掘り下げられ、奥にある工業用水の配水池への取付道路まで見通せるようになっています。

 そしてその取付道路は、航空写真で見ると橋梁のようですが、実は基礎部分がトンネル構造となっていることがわかります。この道路の建設時に「生実本納線の上下2車線とその左右の歩道が立体交差で交わる」という将来像をあらかじめ想定していたのでしょう。

 いずれも見える範囲では工事は順調で、そう遠くない時期の完成が期待できる状況でした。

 ただ、生実本納線で茂原方面から千葉市中心部や東京方面に向かう場合、この新規整備区間を通ると塩田町誉田町線を経由し、蘇我ICから京葉道路に入ることになります。休日午後などは、京葉道路に入ってから穴川IC付近まで、渋滞で時間のかかることが予想されます。

 赤井交差点付近での渋滞が少なくなることを考慮するならば、茂原方面からの移動は「鎌取ICで流出、平山大橋交差点を右折して大宮ICから千葉東金道路」「鎌取ICで流出、鎌取インター交差点を右折して大網街道・松が丘ICから京葉道路」という選択肢からどれが早いのか、スマホのナビアプリなどで判断する必要が出てくるかもしれません。

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