「面舵いっぱーい」の「おもかじ」って? じつは身近な動物たちが関係している!? では「ヨーソロー」は?

船は右に舵を切ると「面舵」、左に舵を切ると「取舵」と言いますが、そもそもこの「おも」や「とり」はどこからきた言葉なのでしょうか。

「おも」と「とり」の意味とは?

 創作物などでもよく聞きますが、日本では船を進行方向から右に舵を取ることを「面舵(おもかじ)」、逆に左方向に取ることを「取舵(とりかじ)」と言います。そもそもこの方向を示す「面(おも)」「取(とり)」にはどのような意味があるのでしょうか。

 海上保安庁や海上自衛隊がSNSで発信している情報によると、この語源は十二支からきているそうです。

「面舵」の語源は十二支の「卯」つまりウサギ、「取舵」は「酉」とそのままトリからきています。なぜ十二支が語源になったかというと、昔の日本や中国などでは十二時辰という十二支を使った時間の分け方が使われていたのが関係しています。

 船の進行方向を時計の針に見立て、正午の12時とすると十二時辰ではネズミの「子」になります。そこから時計の様に十二支を並べていくと、右である3時方向は「卯」、左である9時方向が「酉」になります。

 そのため、昔は卯の方向に舵を切る「卯面舵(うむかじ)」、酉の方向に舵を切ることを「酉舵(とりかじ)」と呼んでいましたが、「うむかじ」はだんだん「おもかじ」となまっていき、やがて十二支ではなく「取」と「面」で当てるようになったようです。
 ちなみに「一杯」は、舵を目一杯に取るころを意味します、「面舵一杯」 は右に目一杯舵を取ることなりますが、「面舵いっぱーい」といった形で、船長や艦長、艇長が操舵号令を発して方向転換する艦船は、2024年現在だと殆ど無く、海上保安庁の巡視船や海上自衛隊の護衛艦などに残っている程度のようです。

「ヨーソロー」は昔の言葉が語源?

 では船を真っすぐに進める際に使う「ヨーソロー」という言葉はどのような語源となっているのでしょうか。

 まず「ヨーソロー」は、指示した目標物や方位に船を真っすぐ向け進むという意味なのだそうです。実は語源は日本語にあるようで、「宜しく候(よろしくそうろう)」が変化したものなのだそうです。

 幕末時代の名残だそうで「よし」や「了解」といった意味であり、「(その方向で)よろしいです」と進むべき方向が間違っていないことを確認する言葉なのだそうです。ちなみに、レスリング用語でも「ヨーソロー」がありますが、これはサイドスープレックス(俵返し)のことです。

 

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