「アクアライン大渋滞!千葉回りも大渋滞!」どっちがまだマシ…? 房総からの帰り道「地獄の2方面ブロック」の根本原因 じつは“天気”もポイント

房総半島レジャーからの帰り道、東京湾アクアラインが大渋滞。ならば千葉回りの京葉道路でと考えると、こちらも大渋滞……それぞれの渋滞原因と“実態”を知っておくとルート選びに役立つかもしれません。

どっちも絶望…休日の「アクアライン」と「京葉道路」

 春から初夏の潮干狩りシーズン、千葉県房総エリアは多くの行楽客でにぎわいます。2009年以降、「東京湾アクアライン」のETC普通車の通行料金が800円に値下げされたことで、東京都南西部や神奈川県から気軽に来られるようになり、その人気はさらに高まりました。こうした人出の増加とともに頭を悩ませる問題となっているのが、休日の午後、東京方面へ帰るクルマによる高速道路上り線の渋滞です。

 房総半島へはアクアラインと、東京湾岸から「京葉道路」を走り、「館山道」や「千葉東金道路」に入るルートに二分されますが、休日午後のアクアラインは川崎市の「浮島JCT」や中間の「海ほたるPA」を先頭に、また京葉道路は「穴川IC」付近を先頭に、激しい渋滞に見舞われます。

 房総からの帰路、こうした渋滞情報を目にして、「京葉道路経由か、それともアクアライン経由か」迷った経験がある人も多いのではないでしょうか。その最適解を探る前に、まずそれぞれのルートが「なぜ渋滞するのか」について、検証してみましょう。

 京葉道路上りの渋滞ポイントとなる穴川IC付近は、千葉市市街地を迂回して走ることのできる唯一の高速道路であることから、南側の「蘇我IC」から流入するクルマが一定数あり、さらに「千葉東JCT」での千葉東金道路の合流で、通行量が増えるという傾向があります。

 ところがこの区間は、穴川ICのひとつ南の「貝塚IC」付近からトンネルや堀割、遮音壁などが続いてドライバーに圧迫感を与えるうえ、ゆるい上りが続く地形で車速が落ちやすいという特徴を持っています。

 加えて穴川IC付近の本線や、本線を走るドライバーの視界に入る料金所にこの先の渋滞を示す情報板が設置されていること、穴川ICを過ぎるとすぐ「宮野木JCT」での分岐を案内する看板があることから、その内容を読み取ろうとするドライバーはアクセルを緩めがちです。

 こうした複合的な要因が、穴川ICでの渋滞発生につながるのです。

 通行量の多い時期、京葉道路は館山道に接続する「市原IC」から、宮野木JCTのさらに先の「花輪IC」にかけて激しく渋滞し、この20kmほどの区間の通過に1時間以上かかることも珍しくありません。

アクアラインの方がマシ…?

 一方、アクアラインの渋滞の大きな原因は、海ほたるPAの先と、浮島JCTまでのトンネル内にある勾配の変化です。前者では「急な下り坂から緩やかな下り坂」へ、後者では「緩やかな上り坂から急な上り坂」へと勾配が変化しますが、いずれもトンネル内なので、ドライバーはその変化に気付きにくく、車速の低下につながります。

 さらに、房総半島側の「木更津金田IC」付近も大きなボトルネックです。アクア連絡道から走ってきて本線料金所で速度を落としたクルマと、一般道から乗り入れてきたクルマが無秩序に合流するため、通行量が多くなると、この区間通過にも時間を要します。

 通行量の多い時期の通過所要時間は、館山道とアクア連絡道が分岐する「木更津JCT」から浮島JCTまで1時間、もしくはそれ以上となります。

 では、休日の午後に房総エリアから東京都、埼玉県、神奈川県に戻る場合、どのルートを選ぶのが最適なのでしょうか。

「どこからどこへ帰るか」で最適なルートを

 まず木更津JCT以南の館山道や以東の「圏央道」から神奈川県や東京都を目的地とする場合は、渋滞していたとしても、アクアラインを選ぶのが正解でしょう。

 木更津JCTから浮島JCTまで1時間かかるような時間帯は、京葉道路も同様に渋滞しています。そのため木更津JCTから1時間では、京葉道路の「幕張IC」までなんとかたどり着くのがやっとという状況でしょう。

 ただし目的地が埼玉県春日部市や草加市などであれば、なんとか「京葉JCT」まで走り「外環道」に入れば、その先は比較的スムーズです。この場合は、京葉道路が正解になるでしょう。

 一方、千葉東金道路からは、23区南部や多摩地区をのぞく東京都や埼玉県方面には、千葉東JCTで京葉道路を北に進むルートが、23区南部や神奈川県は京葉道路を南に進みアクアラインを使うルートが、それぞれ最善となります。

 千葉東JCTから穴川ICまでは、渋滞しても距離そのものが短いため、それほど時間はかかりません。他方、千葉東JCTからアクアラインを目指すと、木更津東JCTまででも約30kmの距離があり、23区東部や北部を目指すなら、たとえアクアラインが空いていたとしても、かなりの大回りを強いられます。

それでも「アクアラインが正解」のケースもある

 ただ休日でも天候が悪い日は、アクアライン回りが正解となるケースもあります。

 行楽客以外のクルマも多い京葉道路は、雨天でもそれなりに混雑します。しかしアクアラインは天候に恵まれず日帰りの行楽客が少ない休日午後は、まったく渋滞しないこともあるからです。

 逆に言うと、木更津東JCTと千葉東ICの中間地点となる市原市付近から東京都、埼玉県方面へは、京葉道路、アクアラインとも混雑している場合、正解選びはなかなか難しいでしょう。

 ただアクアラインは、ひとたび事故が起きると「通過所要時間が見えなくなる」というリスクがあります。一方の京葉道路は、宮野木JCTから「東関東道」など、代替ルートが用意されています。「迷ったときは京葉道路」が、心理的負担を軽減する意味でも“最適解”と言えるのではないでしょうか。

 実際のルート選択には「Googleマップ」やNEXCOの「ドラとら」「iHighway」など、予測所要時間やリアルタイムでの所要時間がわかるアプリやサイトも有用です。ぜひ活用しましょう。

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