
規模の大きな駅では、乗り換え路線が遠く離れていることもしばしばあります。ここでは首都圏のJR駅で、そのような駅と路線を3つ紹介します。なかには、もはや別の駅かと思うほど遠いものまであります。
有楽町駅の方が近い東京駅京葉地下ホーム
駅の規模が大きいほど、他路線への乗り換え距離は長くなりがちです。大型連休を控えていますが、初めて利用する駅だと迷ってしまうこともあるかもしれません。ここでは首都圏のJR駅で、乗り換えの際に「遠い」と感じる路線を3つ紹介します。
東京駅を発着する路線は東海道本線や中央本線など数多くありますが、特に乗り換えが遠いのが京葉線です。同線のホームはほかの路線と300m以上も離れているうえ、地下4階の深さにあります。乗り換えの際には、東京駅の南東側にある通路を通る必要があります。
この通路は「ベイロード」と命名されていますが、長い通路にはエスカレーターや動く歩道があり、これらを乗り継いで移動しなければなりません。時刻表には新幹線から在来線への乗り換え標準時間が掲載されていますが、新幹線から東海道本線への乗り換えが10分なのに対し、京葉線は倍の20分となっています。
ちなみに京葉線の東京駅は南隣の有楽町駅に近く、改札口で申告することで乗り換えが認められる場合があります。なお、乗り換えが可能なのは山手線などの新橋・品川方面から京葉線に乗り換える場合と、京葉線の新木場方面から山手線などの新橋・品川方面へ乗り換える場合だけ。また、この取り扱いを行う改札口は、京葉地下八重洲口と京葉地下丸の内口、有楽町駅の京橋口に限られます。
総武地下ホームも遠い
京葉線のほか、横須賀線や総武快速線が発着する東京駅の総武地下ホームも遠いことで知られています。先の新幹線からの乗り換え標準時間では15分とされていますが、京葉線と横須賀・総武快速線で乗り換える場合は、東京駅の端から端まで数百mを歩くことになるでしょう。
また京葉線、総武快速線とも東京駅と千葉方面を結ぶ路線であり、東京~蘇我間はどちらでも行くことができます。ただ、蘇我方面から東京駅へ向かう場合、同じ東京行きでも京葉線経由と総武快速線経由では、東京駅に着く場所がまるで違うので注意が必要です。
小山駅は両毛線だけが離れている
小山駅(栃木県小山市)は東北本線(宇都宮線)と水戸線、両毛線の列車が発着し、東北新幹線も停車します。ただし両毛線のホームだけが離れた位置にあり、東北本線や水戸線から両毛線に乗り換える場合は、長い通路を通って200mほど歩く必要があります。乗り換えには最低でも5分程度は見積もる必要があるかもしれません。
小山駅の構造は、東北本線と水戸線のホームが並び、その西側にある高架部分に新幹線のホームがあるほか、その高架下に両毛線のホームがあります。両毛線のホームが東北本線や水戸線のホームに並んでいれば乗り換えが楽になるのですが、この場所には駅の出入口があるため、両毛線のホームが北側にずれているのです。
とはいえ、線路自体は東北本線とつながっています。両毛線から東北本線のホームに入ることも可能で、かつては両線を直通する列車も運行されていました。2025年3月のダイヤ改正後も、小山15時23分着の両毛線の列車が東北本線のホーム(9番線)に到着します。この列車を使えば、東北本線や水戸線へ楽に乗り換えることができそうです。
武蔵小杉駅 横須賀線との乗り換え
武蔵小杉駅(神奈川県川崎市)では2010(平成22)年、横須賀線の駅が開業し、既存の南武線や東急東横線などと相互に乗り換えができるようになりました。しかし、南武線のホームと横須賀線のホームは250mほど離れているため、乗り換えるためには階段やエスカレーター、動く歩道などを乗り継ぐ必要があります。両線の乗り換えには短く見積もっても5分程度が必要でしょう。
なお、横須賀線のホームは長さが300m以上もあり、特に武蔵小杉駅の新南口は、南武線の1つ川崎寄りにある向河原駅の方が近くなっています。この新南口から向河原駅までは300mほどですが、途中には南武線の踏切があるため、移動時間を正確に見積もるのは難しいかもしれません。