ジオン軍×トヨタだと!? “有名キャラとコラボで大成功?”なクルマ達 もはや「版元公認の痛車」か

アニメやマンガ、ゲームは日本が世界に誇るポップカルチャーです。そのように考えると、作品に登場するキャラと自動車メーカーがタッグを組んだコラボカーを販売するのは、日本ではごくごく自然なことかもしれません。

アニメ&ゲーム×自動車メーカーのタッグで誕生

 クルマの車体をキャンバスに見立てて、アニメやゲームなどのキャラクターや作品のタイトルロゴを描いたクルマのことを痛車(いたしゃ)と言います。

 これは日本が世界に誇るオタク文化から生まれたもので、ファン活動の一環として行われています。そのようなアマチュア活動とは別に、自動車メーカーが制作会社とコラボして誕生したクルマ、言うなれば「版元公認のオフィシャル痛車」もあります。しかも、その中身はイベント限定の展示車のほか、限定販売により市販化されたクルマまで存在します。

 そのような、アニメやゲームなどのキャラクターと自動車メーカーとのタッグで生まれたコラボカーを5つ集めてみました。

トヨタ×シャア・アズナブル(機動戦士ガンダム)

 2012年にトヨタが2代目「オーリス」をベースにして、アニメ『機動戦士ガンダム』とのコラボで誕生したのが「シャア専用オーリス」です。当初はイベント出展のためのデモカーでしたが、反響が大きかったことから市販化されました。

 設定としては、トヨタが「MS-06ザク」などの開発メーカーである「ジオニック」とのコラボにより「ジオニック・トヨタ」を設立し、ジオン軍のエースパイロットであるシャア・アズナブルのために「シャア専用オーリス」を開発したというもの。主人公のアムロではなく、ライバルのシャアにスポットを当て、コラボモデルを制作したことが当時話題になりました。

「シャア専用オーリス」はコンプリートパッケージの販売ではなく、モデリスタが開発した各パーツをオーナー自身が選んで装着する方法がとられたため、グレードや仕様に関係なく、オーナーが好みのスタイルで「シャア専用オーリス」を作ることができました。2015年4月に一度生産は終了しますが、マイナーチェンジ後の同年7月に「シャア専用オーリスII」として販売が再開されています。

ダイハツ×初音ミク(VOCALOID)

「クリプトン・フューチャー・メディア」のボーカロイド「初音ミク」とDBC(ダイハツビジネスサポートセンター)のコラボにより、2014年から定期的にグッズやコラボカーが発表されています。

 その第1弾が、「雪ミク」(北海道応援のために生まれた初音ミク)×「ミラココア」のコラボカーで、これは北海道限定車として発売。これが好評を博したことで、2018年の「初音ミク」×「ムーヴ キャンバス」のコラボから全国展開となりました。

 翌2019年には「ムーヴ キャンバス×初音ミク リミテッドパッケージ」を発表。2020年の「ハイゼット トラック」とのコラボはデモカーのみで市販はされませんでしたが、2021年の「TAFT」とのコラボは再び市販化されました。

ご長寿キャラとのコラボはテッパン!?

 世界的な有名キャラクターとコラボし、好評を博した軽自動車も存在します。

ダイハツ×キティちゃん(ハローキティ)

「サンリオ」の看板キャラクター「ハローキティ」は数多くの企業とコラボ実績があり、さまざまな製品が販売されています。「キティラー」と呼ばれるファンの中には、それらのグッズを集めてコレクションしている人も大勢います。

 今なお多くのファンがいるハローキティが、ダイハツとコラボし1997年に発売したのが、特別仕様車「ミラ ハローキティ・バージョン」です。このクルマは、ハローキティを描いた専用エンブレムやホイールキャップ、メーター、シート表皮などのオリジナル装備を付けているのが特徴です。

 その後、1999年には「ムーヴ ハローキティ」が、2001年には「ミラジーノ ハローキティ」も発売され、好評を博しました。

三菱×スヌーピー(PEANUTS)

 アメリカのチャールズ・M・シュルツによるマンガ『ピーナッツ』が初めて新聞に掲載されてから70年以上が経過した現在、作品に登場するビーグル犬の「スヌーピー」は、主人公「チャーリー・ブラウン」を凌ぐ世界的な人気キャラになっています。そのような「スヌーピー」と三菱自動車がコラボして生まれたのが、2000年に販売された特別仕様車「スヌーピーエディション」です。

 このクルマは「親しみやすい」「かわいい」をコンセプトに、白基調のボディカラーにボンネットや非常用タイヤケース、さらに座席や計器にスヌーピーのイラストを施したことが特徴でした。

「スヌーピー」をあしらった「パジェロミニ」は大変な好評を博したことから、翌2001年にはボディカラーを黒基調にした「スヌーピーエディションII」が発売されています。

自動車メーカーがコラボカーを作る目的とは

 外国車でも日本アニメとコラボした特別使用車は存在します。

フィアット×ルパン三世(ルパン三世)

 2008年のデビュー以来、3代目フィアット「500」は16年間にわたって約13万台が国内販売され、イタリア車としては空前のヒットモデルとなりました。「500」シリーズは2024年5月をもって生産を終了しましたが、その有終の美を飾るべく、2024年9月から限定販売されたのが、『ルパン三世』とのコラボによる「500/500Cスペシャルエディション」です。

 このクルマにはフロントフェンダーに専用のバッジが備わるほか、リアガラスにはキャラクターのシルエットデカールが貼られ、専用のドリンクホルダープレートやシートサイドオーナメント、フロアマット、ミニカーなどの特典が付属します。

『ルパン三世』と言えば、劇中では2代目「ヌォーバ・チンクェチェント」を愛車としていることで知られています。2代目をモチーフにデザインされた3代目「500」の『ルパン三世』とのコラボによる限定車は、ファン垂涎の1台となったことでしょう。

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 自動車メーカーにとって、こうした有名作品とのコラボカーはファンの購買意欲をそそる目的以外に、これまで自動車に興味がなかった人たちに対して自社製品をアピールしたり、ブランドイメージを向上させたりする目的があるようです。

 果たせるかな、今回紹介したコラボカーは、どれも好評をもって迎えられました。今後どのようなキャラクターのコラボカーが誕生するのか注目したいところです。

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