最短3分間隔も! 単線だけど大忙し 本数が多い鉄道路線とは

都市部の路線は通勤・通学輸送を担うため、基本的には複線や複々線で線路が敷設されています。しかし、一部には単線でありながら運転本数が非常に多い路線も。どこが該当するでしょうか。

頻度を高めて大量輸送を

 鉄道の単線区間といえば、ローカル線のイメージがあるかもしれません。しかし、ほぼ全区間が単線でも、高頻度運転している路線があります。

 今回は、単線でも極限まで運転本数を増やすことで輸送力を強化している鉄道について取り上げます。なお西武国分寺線のように、駅構内など一部の区間で複線となっている路線は除きます。

■小田急箱根鉄道線
「箱根登山電車」の愛称で知られる、小田原駅から強羅駅(神奈川県箱根町)までを結ぶ路線です。

 小田原~箱根湯本間は1日68往復(土休日)ですが、行楽客を輸送する路線なので、ダイヤは特徴的。箱根湯本駅(同)を基準にして最も本数が多いのは13時台の7本で、うち特急ロマンスカー「はこね」が3本あります。最短運転間隔は3分です。

 なお、山岳区間の箱根湯本~強羅間も1日54往復、最短運転間隔14分と、利便性が高いです。

■JR西日本 可部線
 横川駅(広島県広島市)からあき亀山駅(同)までを結ぶ路線です。非電化区間の可部~三段峡間が2003(平成15)年に廃止されたものの、残る可部~あき亀山(新設駅)間が電化復活したという、珍しい歴史のある路線です。

 横川~緑井間で1日70往復、最短運転間隔は8分です。

■こどもの国線
 長津田駅(神奈川県横浜市)からこどもの国駅(同)までを結ぶ3.4kmの路線で、当初は児童厚生施設「こどもの国」へのアクセス路線でしたが、行き違い可能な恩田駅を設置した2000(平成12)年ごろから、通勤路線化が進んでいます。

 運転本数は1日72往復。多い時間帯は毎時6本、最短11分間隔で運転されます。

観光地を結ぶモノレール 乗車率160%!?

■江ノ島電鉄線
 藤沢駅(神奈川県藤沢市)と鎌倉駅(同・鎌倉市)を結ぶ路線で、途中は道路上を走る併用軌道の区間もあります。

 本数が多い江ノ島~極楽寺間は1日77往復も運転されており、最も多い時間帯では毎時5本、最短14分間隔です。

■JR九州 篠栗線
 桂川駅(福岡県桂川町)と吉塚駅(同・博多市)を結ぶ路線で、大半の列車が乗り入れる博多~黒崎間には「福北ゆたか線」の愛称があります。

 1日78往復ですが、篠栗駅(同・篠栗町)の8時台の博多方面は、1時間7本もの高頻度運転が行われ、最短運転間隔は6分です。

■遠州鉄道線
 新浜松駅(静岡県浜松市)と西鹿島駅(同)とを結ぶ地方鉄道です。2~4両編成ながら、全18駅中16駅に交換設備があり、駅間距離も短いため、早朝深夜以外では毎時5本、最短12分間隔で運転されています。

 車両デザインがほぼ全て同じであるのも特徴的で、合理的な社風を感じます。

 以上、線路式の鉄道で筆者(安藤昌季:乗りものライター)が知る限りを挙げましたが、日本一は別にあります。

■湘南モノレール江の島線
 大船駅(神奈川県鎌倉市)から湘南江の島駅(同・藤沢市)までを結ぶ懸垂式モノレールです。湘南深沢~湘南江の島間で平日140往復あり、大抵の時間は毎時8本運転されています。最短運転間隔は7.5分と高頻度運転なものの、それでも富士見町~大船間では混雑率が163%に達するなど、大きな需要があります。

 ほかにも、JR相模線(1日63往復)なども挙げられます。いずれにも共通しているのは、大都市近郊に路線を持ち、“なくてはならない”地域の足として利用されている点でしょう。

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