
ウルヴァーハンプトン(ウルヴス/イングランド)とコモ(イタリア)によるプレシーズンマッチで人種差別的発言があったことが問題になっている。16日、イタリアメディア『フットボール・イタリア』が伝えている。
昨シーズンのプレミアリーグで14位に終わったウルヴスと、セリエBで2位となり、セリエA昇格を果たしたコモが15日にプレシーズンマッチを開催。しかし、後半途中にウルヴスの数名から激しい反応があり、最終的にはダニエル・ポデンセが退場処分となる事態となっていた。
報道によると、コモの選手たちがウルヴスに所属する韓国代表FWファン・ヒチャンに対して人種差別的な発言をした模様で、ポデンセはそれを受けて相手選手に殴りかかったことで退場処分となったようだ。
この事態を受け、コモは声明を発表。「当クラブは人種差別を容認しておらず、あらゆる形態の人種差別を可能な限り強く非難する」と記した一方、ウルヴス戦では人種差別がなかったことも強調した。
「私たちは問題のDFと話をして、何が言われたのかを理解した。彼は同僚のDFに『彼を無視しろ。彼は自分がジャッキー・チェンだと思っている』などと言ったことを私たちに明かした」
「選手たちと長時間話した結果、これは選手の名前と、ピッチ上でチームメイトが絶えず『チャンニー』と呼んでいたことに言及したものだと確信している。クラブが認識している限り、選手は侮辱的な発言をしていない。一部のウルヴス選手の反応によって、この事件が誇張されてしまったことに失望している」
しかし、この声明は人種差別的発言への謝罪をしていないことから、コモには多くの批判が寄せられる事態にもなっている。
一方、ウルヴスを率いるガリー・オニール監督は試合後のインタビューで「チャンニーが人種差別的な発言を耳にしたことは本当に残念なことだ。私はチャンニーと話をして、チームを引き上げさせるか、それとも自身が交代するかを確認した。しかし、彼はチームが試合を続け、必要な練習を積むことを望んでいた」と明かしながら、次のように続けた。
「このようなことが起こり、話し合わなければならず、試合に影響を及ぼしたことは本当に残念だ。理想的ではないし、このようなことはあってはならない。もちろん、彼は本当に落ち込んでいる。当然のことだ。彼にとっては難しい時間だったが、チームを第一に考えて試合を続けようとしたことを私は誇りに思う」
「彼はプレシーズンの遠征であることを理解しており、非常に不快な出来事に巻き込まれたにもかかわらず、選手たちに試合を続けて出場時間を確保させたかったのだ。チャンニーは大丈夫だろう。私たちは全面的にサポートするつもりだし、朝に彼を迎えに行って、大丈夫かどうかを確認するよ」