「車のお祓い」シーズンは年始じゃなくて春!? なぜなのか 歴史を紐解くと納得「実は車が走る前から」

年度始まりは、通勤・通学で新たにクルマに乗る人が増える時期でもあります。この時期はクルマのお祓いをするケースもありますが、こうした行事はいつ頃始まったのでしょうか。

お祓いのルーツは水運の安全祈願から

 新たにクルマで通勤・通学する人が増える新年度、ドライバーやクルマが大きな事故に合わないようにとお祓いをするケースもあります。こうしたクルマや運転する人をお祓いする習慣はいつ頃生まれたのでしょうか。ある神社の宮司さんに話を聞いてみました。

 まず、クルマをお祓いする神社は「水神」を祭っていることが多いそうです。そうした神社は、水運などの安全を祈願する習慣が昔から存在するケースがあるといいます。「はじめは水運のみでしたが、陸の輸送が発達するとともに、交通安全のための祈祷なども受けるようになりました。同じ輸送なら陸もお願いしますという形です」(宮司さん) クルマのお祓いに関しては、国産車の開発が活発になる以前、大正から昭和初期にかけて、クルマの輸入業者が始めたと言われているそうです。「クルマがまだ貴重だったので、げんを担ぐという目的がありました。先代の宮司に聞いた話によると、日本でクルマが走り始めたころには、すでにお祓いをする習慣があったとのことです」(宮司さん) 日本で最初にクルマが普及したのは、警察の警察車両や、タクシーやバスなどの営業車、運送業者が使う商用車など、いわば公共の車両でした。年度初めなどに、新入社員と使用するクルマが一同に集まり、まとめてお祓いといったこともあったそうです。「最初は運送業者の車両や警察車両が多かったようです。多いときは、80~100台のクルマを一度にお祓いすることがあり、境内に収まりきらないので神社の駐車場でやったとも聞いています」(宮司さん) 一方、個人のクルマのお祓いが盛んになりだしたのは、戦後、日本が高度経済成長期を迎えて以降になるのだとか。「当時は今よりクルマが貴重なものでしたので、やはり事故や故障がないようにとお祓いを頼む人が多かった気がします。最近はステッカーやお守りで済ませる人が多くなりましたが、それでも入学シーズンや入社シーズンはお祓いの依頼が多いです」(宮司さん) なお、お守りやステッカーはどちらかという年始の初詣で購入する人が多いとのことでした。企業のクルマのお祓に関してはやはり現在でも年度初めに集中するそうで、多いときに神社の駐車場で行うケースは今でもあるといいます。

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