織田信長との戦いや恋愛成就の伝説が残る寺 三嶽寺【三重県菰野町】

三重県菰野町の湯の山温泉にある三嶽寺には2つの側面があります。一つが比叡山焼き討ちで織田信長の軍勢に立ち向かった僧兵を偲ぶ、荒々しい僧兵まつり。そしてもう一つは悲恋成就の伝説がもととなった恋愛祈願の側面です。

三嶽寺は、もともと平安時代に天台宗の開祖である最澄が拓いた寺であり、僧兵(仏法保護の名の下に武装した僧侶)が多く集う山岳宗教の拠点でした。当時、僧兵は延暦寺などで勢力を振るっていました。延暦寺といえば織田信長の比叡山延暦寺焼き討ちが有名ですね。その比叡山延暦寺焼き討ちの約3年前、三嶽寺が織田信長の命によって攻め込まれました。

当時、数百人ともいわれる僧兵が戦いましたが、同時期に焼き討ちにあった他の寺と同じく、三嶽寺も壊滅してしまいます。10月に行われる『僧兵まつり』は織田信長の軍勢と戦った僧兵たちを偲んだのが発祥で、僧兵装束に身を包んだ男たちが大小5個の樽に松明を約50本つけた火炎みこしを担ぎ、約2キロの道を練り歩く、三重県随一の荒々しいお祭りです。(2017年は10月22日に行われます。)

さて、三嶽寺は焼き討ちにあって衰退しますが、江戸時代に入ってから温泉湯宿として再興されます。そんな湯の山温泉には『恋結び折り鶴伝説』が残ります。

大商店の一人娘とその使用人であった男が恋に落ちます。しかし身分違いの恋に悲観した二人は、いっそ心中しようと湯の山の蒼滝に身を投げようとします。
すると、その時、一人の僧兵が現れ「温泉にでも浸かったら気分が変わるかもしれないよ」と励ましました。
僧兵の声に耳を傾けた二人は温泉につかり、心中を思い直します。二人は僧兵に感謝の気持ちを伝えるために三嶽寺に折り鶴を奉納します。すると折り鶴は空高く飛び立っていったといいます。
数年後、願いが叶い結婚した二人は三嶽寺を訪ねます。住職に僧兵のことを尋ねると、もう何十年も僧兵はいないとの答えが返ってきます。僧兵は仏の化身だったのか…というのが折り鶴伝説です。

この伝説から、永遠に幸せに結ばれることを願い、恋人たち三嶽寺に折り鶴を奉納するのです。僧兵たちの戦いを模した荒々しい僧兵まつりと、恋愛成就の祈願が共存する三嶽寺はなんともロマンチックなお寺ですね。

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