超レア!? 大変!電車を点検するために「線路幅が違う鉄道」を走る会社とは 特殊設備使った「異色の作業」に密着

岐阜県と三重県をむすぶローカル私鉄、養老鉄道。ここでは珍しい光景があるといいます。

自前の工場を持たない養老鉄道

 岐阜県と三重県をむすぶローカル私鉄、養老鉄道。ここでは珍しい光景があるといいます。 ふつうは鉄道車両を定期検査する場合、自前の工場に回送して検査を受けますが、養老鉄道の場合はかつて近鉄の一路線だった経緯から、近鉄の所有する塩浜工場で行うこととなっています。 ところが、養老鉄道は別の歴史的経緯から、塩浜工場のある近鉄名古屋線とは線路幅が違うのです。困ったことに、そのまま近鉄へ直通して工場へお邪魔する、ということができません。 では工場へ検査に行くためにどうするかというと、養老鉄道と近鉄の結節点である桑名で、わざわざ「台車を履き替える」作業を行います。 この非常に珍しい「工場に行くために台車を履き替える」作業の一部始終が、近鉄の公式YouTubeチャンネル「【公式】近畿日本鉄道チャンネル」で公開されました。 舞台は「桑名台車振替場」という聞きなれない場所。ここに狭軌(線路幅1067mm)の養老鉄道の車両がやってきて、振替場で標準軌の台車に付け替えられて、近鉄の線路へ合流していくというわけです。 やって来たのはこれまた変わった鉄道車両「モト94形・モト96形」電動貨車です。貨物列車で見られる「機関車にけん引される」ものではなく、端部に運転席がついていて、自走できるのが特徴です。さらにこのモトは「両側に運転台がある」のも特徴。両方向への運転がしやすくなっています。 このモト2両を使い、養老鉄道の電車をけん引して、塩浜まで回送します。もちろん台車振替場でも、台車の運搬や場内の車両移動に、モトが活躍します。 その場内移動のため、モトと電車が連結された瞬間。これはつまり、1編成の電車内で「狭軌車両と標準軌車両が混在している」という、世にもまれな状態になっているということです。本動画で案内役を勤める近鉄社員「ぐっさん」も思わず「ほんまや!」と興奮を隠せない様子でした。 大勢が関わり、ミリ単位で行われる台車履き替え作業を終えた養老鉄道の電車は、モト94形とモト96形に挟まれた状態で、塩浜工場まで回送されていきます。

【動画】激レア!? 「線路幅が違う車両同士が連結して走っている様子」

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