吉田優利を米ツアー挑戦へ突き動かした“人生設計” 「ベストなタイミングで来ることができた」

<Qシリーズ(米国女子ツアー最終予選会) 事前情報◇29日◇マグノリア・グローブGC(米アラバマ州)◇クロッシングズC=6664ヤード・パー72、フォールズC=6643ヤード・パー71>
 
米国女子ツアー参戦は「学生のころからあった」という目標。そしてこの23歳というタイミングでの挑戦は、「もともと何歳までに行くということを人生設計で決めていた。そのなかのマックスの年齢」と、これまで自分が思い描いてきた青写真に沿っての行動だ。吉田優利は、今回の最終予選会について「ベストなタイミングで来ることができたと思います」と話す。
世界ランク75位以内に入ったことで、この最終予選からの出場が可能になった。今年は国内ツアーで、5月にメジャー大会の「ワールドレディスサロンパスカップ」を制覇。それによって3年間の複数年シードも手に入れた。こういった条件も整っている。「いろんなところに行きたいという気持ちがあります。自分がどこまで通用するか分からないけど、プロゴルファーとして来たかったツアー。どうなるか分からないけど楽しみです」。あとは“初志貫徹”するだけだ。
 
西郷真央、馬場咲希とほかに参戦する日本勢2人は、先週のうちに渡米して準備を進めてきた。しかし吉田は、先週の「JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」に出場。そこから海を渡る強行日程を自らに課した。それでも、「いまのところは問題なく過ごせている。(時差ボケも)ないです」と体調面に不安がないことを強調。コース入りした28日(火)にクロッシングズCを、そして開幕前日の水曜日にはフォールズCの18ホールを回り、その特徴を頭に叩き込んだ。
 
「どちらも長いけど、フォールズのほうが広いのでスコアが出るかな。クロッシングズはインコースがすごく難しい。しっかりそこで耐えるゴルフがしたい」。もともとの距離に加え、地面がぬかるんでランが出づらいこともあり、パー4のセカンドでスプーンを握らされることも。フェアウェイ、グリーンともに傾斜もあり、そこがまた判断を難しくもさせそう。だが「自分がどうゴルフをするかだけ」と何に惑わされることなく108ホールの長丁場を突き進んでいくだけだ。
 
プロ入り前からの目標に挑むため通過しないといけない舞台を前にしても、「あまり何も感じてない。気負い過ぎても、楽観視してもよくないので、普通にゴルフをしたい」と目の前の一打に向き合うことだけを考える。「グリーンも不思議な芝質でアメリカだな」。「みんな飛びますね。下がウェットなので高い球を打った方が有利だけど、そこが一番感じますね」。これが吉田が感じる日本と米国との雰囲気の違いだ。
 
ここから始まるのは、6日間のサバイバルレース。上位45位以内がツアーメンバー資格を得ることができるが、より多くの試合に出られる20位以内が目指すところ。「なかなか普段そういうゴルフ(何位以内を目指すゴルフ)をしない。みんながどれくらいのスコアで回ってくるかも分からないし、毎日様子見になってしまうかもしれないけど、そこで調整していきたい」。長年眺め続けてきた夢への扉を、いよいよ開く時が訪れた。(文・間宮輝憲)

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