「軍用気球」復興か!? ポーランド軍が大隊規模で新編へ すでにイスラエル軍は活用中

イスラエルでは「ハマス」との衝突などで活用できたのでしょうか。

アメリカではすでに半世紀近い運用実績あり

 ポーランド軍は2023年11月14日(火)、エアロスタット(空中浮遊型航空機)を運用する専門部隊を新編すると発表しました。 エアロスタットとは、いうなれば気球です。バルーンなどと同じく内部に空気より軽いヘリウムガスなどを充填しており、地上からケーブルでつながれた状態で最大1万5000フィート(約4600m)の高度まで上昇します。下部にはレーダーシステムや発電機などを搭載しており、これらを使って空の上から周辺の監視を行うことができる装置です。 ポーランド軍が導入するエアロスタットの詳細は不明ですが、新編部隊は2個中隊からなる大隊規模で、合計で4つのエアロスタットを運用し、ベラルーシやウクライナにほど近い東部に配置する計画だといいます。

 すでにポーランド政府は2023年5月、アメリカに対して、軍用アエロスタットの取得依頼書(LOR)を送っているとのこと。これらを、今後運用がスタートする早期警戒機と組み合わせることで、軍の警戒監視能力を大幅に高めることができるようになるとしています なお、同様のシステムは今から40年以上前の1980年12月にアメリカ空軍へ引き渡されており、その後アメリカ税関や同沿岸警備隊などで運用された実績があります。 さらに2022年3月には、初の外国軍隊としてイスラエル国防軍にも引き渡されています。同軍が導入したのは、アメリカのロッキード・マーチンなどが開発したもので、「エレベイテッド・センサー」や「TARS」(Tethered Aerostat Radar System:連結式エアロスタット・レーダー・システム)と呼ばれるものです。  イスラエル軍は、脅威度の高い物体をいち早く検知して早期に警告を出し、イスラエルの領空を守るための完璧な航空警戒管制システムを構築するのに役立つとしており、ポーランドが運用を開始すれば母国アメリカ以外で2か国目の導入となります。 早期警戒管制機などと比べると低コストで運用可能なエアロスタット、もしかしたら今後、世界的に普及するかもしれません。

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