
ジャパンモビリティーショー2023の会場で、巨大な搭乗型ロボ「アーカックス」が展示されます。このような大型ロボットを作った理由はどこにあったのでしょうか、担当者に話を聞きました。
まずはレジャーに特化したものを
2023年10月28日から11月5日まで一般公開される「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」ではクルマやバイクだけではなく、なんと搭乗型のロボットも展示されています。「アーカックス」と呼ばれるこのロボットの開発元であるツバメインダストリの代表取締役CEO吉田龍央さんに、どのような経緯で人型の乗りものを作ることになったのか話を聞きました。
吉田さんは、ほかにもロボット系のベンチャー企業を立ち上げていますが、それは産業用か医療用のものとのこと。しかし、ツバメインダストリに関しては初めから、搭乗して動かすロボットというイメージがあったそうで、吉田さんは「日本ってアニメもメカもロボも現代アートも全ていいものが揃っているで、せっかくならそういうものを活かしていこうとなりました。最終的には街中でこうしたロボットが働くというのを目指したいですが、まずはレジャーに特化したものという方向です」と話します。“レジャー用の乗りもの”という方針となり、プライベートジェットを複数機所有するような超富裕層をターゲットに設定。そのため値段設定は300万ドル(約4億5000万円)とかなり高額になるようですが、数億円もする高出力・高性能のいわゆる「ハイパーカー」を買う人向けには、十分勝負できる金額ではあるようです。
乗ることのそのものに価値がある
速さを追求するハイパーカーとは違い、「アーカックス」では、乗ることそのもの楽しみを追求し、複数のカメラを使用した臨場感あるモニターや、合計26か所の可動域などを活かし、ガレージで飾ったり走る以外の楽しみも提供したいとのことです。「ドバイの富豪の人たちは、飛行機を買ってきて機体にレーザー照射機などをつけてレジャーで空中戦をやる人もいるという話を聞きます。そういう人たち向けに、例えば『アーカックス』にレーザー銃を持たせてエクストリームスポーツを展開できればいいなと思います」 なお、JMS2023会場では一般開放日の期間中、1時間に1回程度、アームの稼働やビークルモード人型モードの動作デモが行われるそうです。
ちなみに、同社のスタッフはロボット好きな人が揃っているようで、「アーカックス」と全長がほぼ同じな『装甲騎兵ボトムズ』や、「アーカックス」の特捜型モデルをデザインすることが決まっているメカデザイナー・河森正治さんが関わった「マクロス」シリーズや「アーマードコア」シリーズなどが好きだという話も出てきました。しかし、吉田さんはというと「ガンダムのなども好きではありますが、実は『アイアンマン』が一番好きです」と実はパワードスーツの方が好きと話していました。