
<ウォルマートNWアーカンソー選手権 事前情報◇27日◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6438ヤード・パー71>
「一瞬で終わっちゃいました。すぐ終わっちゃった」。欧州、米国、そして最後は日本のホステス大会と世界を飛び回った西村優菜。8連戦をこなしたあとの1週間のオフは、あっという間だった。翌日の月曜日は「クタクタでなにもできなくて。死んだように(笑)」と疲労困憊。数日はゴルフから離れてリフレッシュに充て、そして“主戦場”の米国に戻ってきた。
今週は米国では珍しい3日間大会。開幕は金曜日だが、水曜日と木曜日にプロアマが開催され、西村は開幕2日前の水曜日に参加した。「アメリカでは珍しくグリーンが軟らかい。久々にこの感じだなと思いながら練習していました」と、硬くて速い米国らしいコースとは少し違ってみえる。週末にかけてさらに仕上がっていきそうだが、「嫌な感じとか立ちにくいホールはあまりなかったので、振り切ることも大事にしながらやりたい」と、例年バーディ合戦となる短期決戦についていくつもりだ。
“スポット参戦”した日本ツアーでは右肩上がりに伸ばし、3位タイに食いこんだ。「初日はショットが荒れていたけれど、そのあとの練習でつかんだことがあって、それを土日にできた。日本でのいい収穫だったと思うし、それを忘れずに、こっちでもできたらいいなと思います」。長時間の移動による疲れもあっていまはまだ本調子とはいえないものの、感触は悪くはない。残り1日で感覚を取り戻しながら、実戦へと間に合わせる。
米国女子ツアーもいよいよ終盤戦へと入り、残りは8試合。米本土での2試合が終われば、出場人数が限られるアジアシリーズが待っている。だが、現在ポイントランキング81位の西村は、韓国戦とマレーシア戦はいまウェイティングでのエントリーという状況。出場できるか完全な見通しが立っていないなか、「いまもスケジュールを考えていて、どうするのがいいのかまだ決め切れてはいないんですけど、出られるという試合で頑張るしかない」と、残り少なくなってきた毎試合が勝負となる。
80位までに与えられるシード権争いの真っ只中にいるが、もちろんそれだけではなく、ランキング上位60人のみが出場できる最終戦「CMEグループ・ツアー選手権」の出場権獲得にも目を向ける。「もちろんそこを目指してというか。とにかく一試合一試合でトップ10を目指しながら、結果そこに入れたらいいかなと思います」。今季の最高位は17位タイ。日本ではここまで4試合で外していない、トップ10入りが待ち遠しい。
秋の巻き返しへ。「もう一回、エンジンをかけて頑張るしかない状況。シードもあったりで、メンタル的にも難しいところはあると思うけれど、楽しみながら頑張りたい」。しぶとく、粘り強く、大逆転のストーリーを描いてみせる。(文・笠井あかり)