“ニララフ”と“仕上がりグリーン”にご用心 大会連覇へ山下美夢有に死角なし?【大西翔太のSHOWTIME】

<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 初日◇22日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6569ヤード・パー72>

今週は、ツアー唯一の東北決戦。昨年は山下美夢有が、初日に「60」を叩きだすなどトータル18アンダーの大会新記録で圧勝した。今年の行方はどうなるのか? 青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏がその展望を占う。
■“ニラ”みたいなラフに苦戦必至!?

「例年よりラフが非常に深いです。“ニラ”みたいなラフになっている」。練習ラウンド、そしてプロアマで実際にコースを確認した大西氏は開口一番にこう話した。「結構立たせているといった感じなので、ラフに入ると、場所によっては出すだけのホールもありますね」。翌週には、国内メジャー「日本女子オープン」を控えており、その前哨戦を漂わせるコースセッティングへの対応が勝負の分かれ目だと大西氏は読む。

「なので、バーディチャンスにつけるには、ティショットをフェアウェイに置くこと。それが第1条件になってくる」と、フェアウェイキープ率が高いショットメーカーが有利だと予想する。

さらに、グリーンは“湯豆腐”のように柔らかったという昨年に比べると、硬く速い仕上がりと話す。「夏場の大会のグリーンは、熱で焼けてしまって少し荒れていました。でも今週はグリーンのクセがなくて、すごくキレイな状態」と、パターの実力がそのまま出るコースに仕上がっているという。つまり、フェアウェイキープ率が高くパターがうまい“総合力”がある選手が上位に来る、そんな展望を思い描く。

■やはり『60』のインパクトは強い

それを踏まえ優勝候補筆頭候補として挙げるのは、やはり昨年「60」をマークした山下だ。実は大西氏は、そのラウンドを青木のキャディとして一緒に回っていた。「ティショットが全部フェアウェイでした。さらに、4、5メートルぐらいのパットをすべて決めていた。やはり目の前で『60』を見て、コースとの相性がいいんだなって感じました」。自身初となる大会連覇へ死角はないと見ている。

対抗馬として挙げるのは、7月の「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」で今季初優勝を果たし、直近3試合連続で2位に入っている小祝さくら。「パターがすごく良くなっている。明らかに転がりがいいので、狙ったところに打てています。ティショットもフェアウェイに置けるようになったし、パターも決められるようになってきた。プレーが1つの“線”になってきている」と太鼓判を押す。

■日米通算11勝・畑岡奈紗の逆襲は?

今大会は、「住友ゴム工業」が特別協賛をする試合。同社が展開するダンロップと契約するホステスプロたちの奮起にも期待する大西氏だが、その中でもやはり注目は日米通算11勝と出場選手で実績最上位の畑岡奈紗の存在は気になる。

直近の米ツアーでは、思うような結果を残せていないが「練習をしているところを見ましたけど、やっぱり球は飛んでますし、練習場で見る限りではフェアウェイに運ぶという感覚で打てている」と、成績以上に現在の調子はいいと分析した。およそ1年ぶりとなる母国での大会で、いきなり優勝をかっさらっても、なんら不思議はない。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

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