インド空軍 旧ソ連製MiG-21戦闘機を全数退役へ 後継で導入する機体は?

調達数の約半数を損耗しているとは…

約1000機調達した旧ソ連の傑作戦闘機

 インド空軍はこのたび、空軍で60年にわたって運用してきたMiG-21戦闘機を全機退役させる計画であることを明らかにしました。 MiG-21は旧ソ連(ロシア)が開発した超音速飛行が可能な単発ジェット戦闘機です。初飛行は1955年6月16日で、これまでに1万1000機以上が生産されたベストセラー機でもあります。

 インド空軍にMiG-21が初めて引き渡されたのは1963年のことで、最終的に同国には訓練用の複座型、そしてライセンス生産含めて合計946機が納入されたそう。その後、近代化改修などを施しながら半世紀以上にわたって同国の防空を担ってきたものの、墜落する回数も多く前出の946機中、半数あまりの476機を失っています。 そして2023年7月下旬に、インド北西部にあるラージャスターン州で訓練中の複座型が墜落、パイロット2名が死亡したことが決め手となり、旧式化も相まってインド空軍ではMiG-21の退役を検討するようになったといいます。 このたび、インド空軍がMiG-21の退役に踏み切る決断ができたのは国産戦闘機「テジャス」の大規模調達に見通しがついたからだそう。「テジャス」は2001年1月に初飛行したのち、2016年1月から運用を開始したエンジン1基搭載の軽戦闘機です。2020年3月には完全作戦能力(FOC)を獲得し、翌2021年にはインド政府が戦闘機型(Mk-1A)73機、練習機型(Mk-1)10機の計83機について調達を承認しています。 インド空軍はMiG-21を退役させるために、「テジャス」100機の追加調達も併せて検討しているといいます。 なお、インド空軍ではMiG-21の完全退役を2025年に行う計画です。

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