「日本の装甲車両が世界から取り残される」防衛省が危機感 近代化を研究へ

自衛隊の車両が装甲マシマシに?

「高強度で軽量な車体」や付加装甲などを研究か

 防衛省は、2023年9月8日に公表した「事前の事業評価」で、装甲車両の近代化に向けた研究に着手する方針を明らかにしました。

 防衛省は戦車などの装甲車両について、「現代戦においても領土保全に極めて重要な戦力」としています。ただ、タンデム弾頭付対戦車ミサイルや自爆型無人航空機により、トップアタック(上方からの攻撃)に対する脆弱性が顕在化しており、これらの脅威に対応する必要があるとしています。  ロシアによるウクライナ侵攻では、ロシア軍の戦車部隊が対戦車ミサイル「ジャベリン」によって大きな被害を受けています。また、双方が自爆型無人機を大規模に投入し、車両に被害を与えています。諸外国では、戦闘車両の装甲やシステムは逐次アップデートされ、戦闘力の向上が図られているといいます。今回の研究は、こうしたウクライナでの状況や海外の動向が背景にあるとみられます。  防衛省は「事前の事業評価」で、「脅威に対応するため、逐次装甲車両を改善・更新している諸外国に後れを取らぬよう、我が国としても既存の装甲車両の改善・更新を行う必要がある」と研究の必要性を説明しています。  事業では、既存の装甲車両を改善・更新するコンセプト設計を行うほか、そのための基盤を確保すべく、動力や電力システム、車体構造を研究していく方針です。研究成果は様々な装甲車両の改善・更新に活用でき、将来のUGV(陸上無人機)にも活かせるとしています。 研究の「達成すべき目標」では、高強度で軽量な車体・付加装甲を実現する技術や、「小型高出力ハイブリッド動力システム技術」などがあげられています。今後は、2024年度から2027年度まで研究試作が実施される予定。2024年度予算への概算要求額は24億円となっています。

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