「天王洲アイル」ってナニ? 関東圏「漢字+ナゾのカタカナ」駅たちの由来 “漢字だけじゃダメ”!?

「高輪ゲートウェイ」「天王洲アイル」……東京近郊にできる最近の駅名は、カタカナ交じりのものが多くなっています。これらはどういった由来から駅名が決定したのでしょうか。

地名だけじゃダメ!となったケースも

 関東圏には「高輪ゲートウェイ」「天王洲アイル」といった、地名らしき漢字と、なにかを示すカタカナを組み合わせた駅が増えてきました。これらの由来はなんなのでしょうか。

 高輪ゲートウェイは当初、土地名の「高輪」とする案が最も多かったものの、JRが「ゲートウェイ」を付け加えて現在の駅名となりました。これは、駅周辺の再開発地区名「グローバルゲートウェイ品川」にちなむ文言に由来します。 天王洲アイル駅は、30年ほど前にできた駅ですが、これも周辺の再開発地区名に由来します。江戸時代、海中の土砂が堆積してできた州に、漁師の網に牛頭天王の面が流れついたことから「天王洲」、その埋立地を再開発するにあたり「島」を意味する「アイル(Isle)」を組み合わせてこう呼ばれるようになりました。 りんかい線で天王洲アイル駅の隣駅である東京テレポート駅も、臨海副都心の当初の事業愛称「東京テレポートタウン」に由来します。「情報通信基地の機能を備えた都市」という意味合いで付与され、当初はオフィス街となる予定でしたが、結局はアミューズメント施設などが誘致されており、駅名はその名残となっています。

流山「セントラルパーク」実はありません!

 一方、埼玉県の巨大なショッピングセンター、イオンレイクタウンに直結している越谷レイクタウン駅(JR武蔵野線)は、施設名ではなく周辺一帯のニュータウンに由来する名称。駅を含む周辺の住所まで「越谷市レイクタウン」となっています。 路線自体が21世紀に誕生したつくばエクスプレスも、ニュータウンっぽい名前の駅がいくつもあり、カタカナ交じりの駅としては柏の葉キャンパス駅と流山セントラルパーク駅が挙げられます。しかしこれらの2駅は、由来が異なります。 柏の葉キャンパス駅は、千葉県立の「柏の葉公園」と、東京大学柏キャンパスがあることから、両者を掛け合わせた駅名に。ただ周辺一帯の開発コンセプトとして「柏の葉国際キャンパスタウン構想」なるものもあり、天王洲アイルや東京テレポートと同じような由来ともいえます。

 一方の流山セントラルパーク駅ですが、周辺に「セントラルパーク」なるものはありません。流山市総合運動公園があり、市民アンケートの結果からも「流山運動公園駅」で決まりかけたのですが、「新しい街づくりの方向性を示せる」「未来をつくっていく若い市民の感覚も大切にする」ことなどから、開業5か月前に現駅名が決まりました。 地名とは関係なさそうなカタカナが入った駅名は、地域のコンセプトやイメージ戦略を反映していることがあります。なかには、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅のように、駅直結のショッピングモールを閉鎖し、より広域に再開発したエリアの街びらきにともない、駅名を「南町田」から改称した例もあります。

【動画】駅名標がカタカナ入りに変わる瞬間(該当シーンは5分58秒付近)

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