
スペインサッカー連盟(RFEF)は5日、同女子代表のホルヘ・ビルダ監督を解任したことを発表した。
今夏に行われたFIFA女子ワールドカップオーストラリア&ニュージランド2023で初優勝を成し遂げたスペイン女子代表。しかし、その後の大会表彰式の最中にRFEFのルイス・ルビアレス会長が選手たちを祝福していたなか、ジェニファー・エルモソに対してはハグをした後に両手で顔を掴んで口にキスをするという強引なスキンシップを行ったことが問題視され、すぐさま主要メディアで報じられるなど、国内外から批判が殺到している。
しかし、ルビアレス会長は騒動後の会見で自身への批判を「偽りのフェミニズム」と表現して辞任を拒否するなど、反省の色を全く見せず。一方、エルモソは自身の公式SNSで同意なしでのキスだったことを強調し、同会長が解任されるまで代表活動をボイコットすることを宣言。多くの男女の代表選手がエルモソに連帯し、ルビアレス会長の辞任を要求していた。
すでにビルダ監督のコーチングスタッフの大半が辞任したほか、81人の選手がスペイン代表でのプレーを拒否する事態になり、FIFA(国際サッカー連盟)の規律委員会はルビアレス会長に対して国内外におけるすべてのサッカー関連活動が暫定的に90日間停止する処分を発表している。
これを受け、先日にはルビアレス会長に代わってRFEFのペドロ・ロシャ暫定会長の下で行われた臨時総会では「スペインサッカー界は新たな管理体制に移行するため、大規模かつ早急に組織再編に対応する」と体制を刷新することが宣言されていた。
そんななか、RFEFはルビアレス会長と関係性の近かったビルダ監督の解任を検討。臨時総会の中でルビアレス会長が辞任を否定するスピーチを行った際にビルダ監督が拍手を送っていた行動が批判されたこともあり、RFEFはビルダ監督の解任を正式発表した。
RFEFは「ペドロ・ロシャ暫定会長が発表した最初の改革案の一つとして、2015年からスポーツディレクター兼女子代表監督を務めていたホルヘ・ビルダ監督を解任した」と声明を発表。同監督の功績を称え、感謝の意を示した一方で、解任に至った具体的な理由などについては言及されていない。
なお、RFEFはビルダ監督の後任として、モントセラート・トメ監督が就任することも発表しており、スペイン女子代表では初となる女性指揮官が誕生している。