「初めての海外遠征だ!」空自F-35戦闘機オーストラリアへ 実施には2国間協定が大きく関係か?

航空自衛隊のF-35が初めて海外展開しました。派遣されたのはオーストラリアですが、これには今年1月に締結された日豪円滑化協定の存在があるとのこと。この協定はどのような効果があるのでしょうか。

日本のF-35Aがオーストラリアへ初の海外展開

 航空自衛隊の最新ステルス戦闘機F-35A「ライトニングII」が2023年8月26日、オーストラリアのノーザンテリトリー(北部準州)にあるティンダル空軍基地に着陸しました。日本のF-35が海外展開をするのは今回が初めてです。

 日本のF-35がオーストラリアを訪問した目的は、航空自衛隊が8月21日より行っている「F-35米豪展開訓練」の一環です。この訓練にはF-35の他に、C-130やC-2輸送機、それにKC-767空中給油・輸送機と隊員160名が参加しています。 このうち2機のF-35Aと55名の隊員がノーザンテリトリーのティンダル空軍基地に派遣されており、29日まで同基地に滞在するそうです。なお、このうち1機は三沢基地の第301飛行隊の隊長である岡本2佐が操縦していったとのことで、到着後にはオーストラリア空軍のインタビューに答えています。「日本とオーストラリアは特別な戦略的な関係を結んでおります。その関係を強化するということで、日本のF-35がオーストラリアに着陸したということは非常に意義があることだと思っています」。 岡本2佐が言った特別な関係とは、おそらく今月から発行された「日豪円滑化協定」のことを指すと思われます。

日豪協定で部隊の相互訪問と協力がスムーズに

 日本とオーストラリアの2国間で今年(2023年)の1月6日に締結した「日豪円滑化協定」。それが今月13日に発効しており、今回の機動展開訓練はその協定下で実施されています。 円滑化協定では、双方の部隊が相手の国に訪問して協力活動を行う際に、その手続きと部隊の地位をあらかじめ取り決めています。具体的には、部隊入国時のビザの取得や審査を免除するということや、武器弾薬の持ち込み手続きを簡略化することなどが盛り込まれており、これにより相手国への部隊移動がよりスムーズに行えるようになります。

 外務省も「両国部隊間の協力活動の実施を円滑にし、両国間の安全保障・防衛協力をさらに促進するとともに、日豪両国によるインド太平洋地域の平和と安定への一層の貢献を可能にするものです」と本協定の意義を説明しています。 インタビューに答えた岡本2佐も「本機動展開訓練は日本とオーストラリアのRAA(円滑化協定)が適用される初めての訓練です。ですので、この訓練についてはそういったロジスティックを含めまして、非常にスムーズに調整できたと認識しています」とオーストラリア空軍のインタビューで説明しています。 なお、今回は航空自衛隊がオーストラリアを訪問しましたが、8月末にはティンダル空軍基地に所在するオーストラリア空軍第75飛行隊から、6機のF-35Aとその支援機が来日し、日豪共同訓練「武士道ガーディアン2023」が日本国内で実施される予定です。

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