
東武宇都宮駅方面への延伸計画もあるようで。
既存路線の改良などは除き
本日2023年8月26日(土)に開業した「芳賀・宇都宮LRT」(ライトライン)。国内では75年ぶりとなる路面電車として注目されていますが、では、75年前に開業した路線とはどこなのでしょうか。 ひとつ注意したいのは、軌道法に基づいて新設される路面電車が75年ぶりということ。戦時休止路線の再開や既存路線の改良などは含まれません。場所は富山県の高岡市から射水市にかけての富山地方鉄道でした。一部は廃止されているものの、現在の万葉線高岡軌道線にあたります。1948(昭和23)年4月のことです。 戦後の日本は復興とともに高度経済成長を迎えました。人口増加とともにバスが増便され、またマイカーも普及していくと、路上を走る路面電車は渋滞の元凶となり、邪魔者扱いされるようになりました。 特に都市部では道路拡幅も相まって、路面電車に代わる手段として地下鉄の建設も進行。大都市を中心に、路面電車は廃止の一途をたどり、新設されることはありませんでした。 一方の宇都宮市と芳賀町では、人口減少と少子高齢化が押し寄せる現代において、市民がクルマを運転できなくとも移動ができ、それでいてバスよりも輸送力が高く、地下鉄やモノレールよりも建設費を抑えられる新交通システムとして、次世代の路面電車が導入されました。「ネットワーク型コンパクトシティの形成」を掲げる宇都宮市では今後、JR宇都宮駅を越えた東武宇都宮駅方面への延伸も検討されています。新たな移動手段として、路面電車が再び整備されていく未来が来るのでしょうか。