暑すぎて運転見合わせ…なぜ? 東北のローカル私鉄「大雪でも止まらないのに」の声も

秋田県の由利高原鉄道が、高温によるレール張り出しのために終日運休となりました。猛暑が影響したわけですが、鉄道のレールは何度になるとゆがんでしまうのでしょうか。

乗務員が異常な横揺れを感知

 秋田県南西部を走る由利高原鉄道が2023年8月23日(水)16時の時点で、「高温によるレール張り出しのため」運転を見合わせています。これは簡単にいうと、レールが熱で膨脹し、急激に横方向に変形してしまうこと。SNSでは「そんなことがあるのか」と驚きの声が多数聞かれたほか、「大雪でも運休しないのに」といった声もありました。  そもそもレールの上限温度は何度なのでしょうか。

 由利高原鉄道は、由利本荘市内の区間でレールが張り出したとしています。秋田朝日放送によると、同市の午前11時の気温は35.9度だったそうです。 さて、鉄でできたレールは、暑いと伸びて寒いと縮みます。四季のある日本では、寒暖による伸縮を考慮し、レールとレールのあいだに「遊間」と呼ばれるすき間をつくり敷設されますが、一般的に設計上の上限温度は60度とされています。つまり、レールそのものの温度が60度を超えるとゆがむ可能性が生じるわけです。 由利高原鉄道によると、列車の乗務員が、通常は感じない横揺れを感知したとのこと。工務係が現場を点検すると、レールが膨らんでいることを確認したといいます。同鉄道の運転再開は、8月24日(木)矢島駅 午前5時40分発の予定です。 レールのゆがみは、最悪のケースを想定すれば脱線事故につながります。ただその前段階であっても、前出のように車両の乗り心地や騒音の有無に直結。ロングレールや伸縮継目などとともに、乗り心地はもちろん、安全で強い線路の研究、開発が続けられています。

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