「ワイワイガヤガヤが心地よい」宮本勝昌は女子ツアー超えの大ギャラリーに感謝

<ファンケルクラシック 2日目◇19日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6993ヤード・パー72>
 
宮本勝昌は昨年9月にシニアデビューしてから、これまでに8試合を戦い、2位2回を含むすべての試合でトップ10入りしているが、まだシニアでの優勝はない。今大会では初日「69」、2日目「68」と順調にスコアを伸ばし、トップと2打差のトータル7アンダー・2位タイで最終日を迎える。
取材エリアに現れると開口一番、「やっぱりギャラリーの方にたくさん来ていただくなかでゴルフをするのは、プロゴルファー冥利につきますね。ワイワイガヤガヤが心地よいです。とてもいいことだなと今週はつくづく感じました」とニコニコと話す。地元・静岡の開催で藤田寛之と回っていたこともあり、宮本の組にはたくさんのギャラリーがついていた。
 
今大会はシニアツアーのなかでも多くのギャラリーを集めることで知られている。コロナ禍前の2014年大会の最終日には1日の最高となる9667人、18年には3日間の最高となる25214人を動員した。
 
また、車で東に30分ほどの距離にある大箱根カントリークラブでは、国内女子ツアー「CAT Ladies」が同じ3日間の日程で開催中。ギャラリーの入場者数は、初日はシニアが2333人、女子が2339人とほぼ同数。それが2日目は女子の2800人をシニアが3454人で上回った。これは男子のレギュラーツアーでもなかなかないことだ。
 
前半最後の9番パー5では、宮本がギャラリーを喜ばせるプレーを披露する。フェアウェイ真ん中から2オンを狙ったショットは、打った瞬間に「ダウン、ダウン」と思わず声が出た。飛びすぎてグリーンを大きくオーバーしてしまったのだ。
 
グリーンを取り囲んでいたギャラリーは宮本が打つスペースを空けるために“コ”の字型に変化する。『どうやって打つんだろう?』とギャラリーが固唾をのんで見守る中、宮本はピンが近い難しいアプローチをフワッと上げてうまく寄せると、大きな拍手と歓声が沸き起こった。
 
「あれは気持ち良かったですね。タイガーだったら入るんですけどね(笑)。ゴルフファンはまだいらっしゃるんだなと感じました。きっとゴルフをするのも好きな方たちなので、状況を自分なりに解釈しながら、ああやって声に出してもらえるのはうれしいです」。ちなみに、同じ静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで行われた2001年の「ワールドカップ」で、タイガー・ウッズ(米国)が最終18番パー5でみせたチップイン・イーグルは今でも伝説のショットとして語り継がれている。
 
レギュラーツアーとシニアツアーを掛け持ちする宮本は続ける。「もちろんレギュラーツアーでもギャラリーの方に来ていただいていますけど、(シニアのほうが)距離感が近く感じますし、それが良さというか面白さなのかなとつくづく感じました」と、大勢のギャラリーのなかで気分良く18ホールを回った。
 
最終日は同い年の片山晋呉(トータル7アンダー・2位タイ)、2つ年上の細川和彦(トータル9アンダー・首位)との最終組となった。「90年代のレギュラーツアーのように感じますし、シニアツアーでこうやって一緒に回れるのはすごいうれしいですね」。水城高校、日大を同じゴルフ部で過ごした片山もまたシニア初優勝を目指すことになる。
 
宮本はさらに付け加える。「横尾要と一緒に回れていないのは寂しい(笑)。また3人で一緒に回れる日を楽しみにしております」と記者たちを笑わせる。横尾要も日大の同期で、かつては宮本、片山とともに“日大三羽ガラス”と呼ばれていた。今大会にも出場しており、トータル3オーバー・31位タイの最終日はインからのスタートで、宮本待望の同組は叶わなかった。
 
最終日も晴れ予報で多くのギャラリーの入場が予想される。同じ組の片山と細川は茨城県出身で、ホーム静岡県出身の宮本の応援が多いのは間違いない。「自分が良いプレーをしないかぎり、優勝が近づいてくることはない。人よりもコースと自分の問題なので、自分のベストなプレー、100%に近いプレーをやりたいと思います」。大ギャラリーの声援を背にシニア初Vを目指す。(文・下村耕平)

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