『仮面ライダー』のバイクはスゴイのか? 案外フツー? 実在マシンの方が斜め上いってた件

特撮の金字塔『仮面ライダー』。主人公である仮面ライダーたちが乗る超高性能なバイクがたたき出す高性能なスペックは、21世紀に実在するバイクで、すでに一部達成しているようです。

最高速度400km/hも空飛ぶこともすでに達成

 世界征服を企む、悪の秘密結社「ショッカー」によって、改造人間バッタ男にされてしまった本郷 猛が「仮面ライダー」を名乗り、悪の怪人に立ち向かう特撮作品『仮面ライダー』。その時代の街並みの中で起こる、ショッカーの犯罪や、改造人間にされた悲しみを背負いつつ戦う、仮面ライダーの悲劇を織り交ぜた作風は、大きな反響を呼びました。 ただ、『仮面ライダー』シリーズの醍醐味は、主人公や敵役などといったキャラクターだけでなく、ある意味主役と言える魅力的な超高性能バイクにもあるといえるでしょう。ただ、そんな超高性能バイクも、初代仮面ライダーが乗っていたのは今から50年以上も前の1971(昭和46)年です。それらと現代のバイクでは、どちらの方が高性能なのか、調べてみました。

 仮面ライダーには、1号、2号が搭乗する「サイクロン」や、仮面ライダーV3が搭乗する「ハリケーン」、ライダーマンが搭乗する「ライダーマンマシーン」など、数多くの超高性能バイクが登場します。 例えば「サイクロン」は、プルトニウム原子炉とジェットエンジンが搭載された高性能マシンで、重量280kg、最大出力500馬力、最高速度400kmを発揮。強力なエンジンと高いグリップ力で垂直の壁でも登攀(とうはん)できるほか、高さ30mのジャンプや、水中航行すら可能。自動操縦や遠隔操作もできるというモンスターマシンです。 放映当時の大型バイクというと、例えばスズキの「T500」(1968年)が上げられます。レーシングバイクにもなったこの機種は、重量193kg、最高出力47馬力、最高速度181km/hの性能を有していました。「T500」と比較するなら「サイクロン」の性能が異次元であることがわかります。 ちなみに「サイクロン」にはバリエーションがあり、新サイクロン号では、重量220kg、最高出力700馬力(ブースター使用時は800馬力)、最高速度500km/h(ブースター使用時は600km/h)、ジャンプ力50m、さらには飛行能力まで備えるなど、原型と比べてかなりパワーアップされていることがわかります。

ギネス認定受けた市販二輪最速モデル

 続編『仮面ライダーV3』にも、2台の主人公側バイクが登場します。仮面ライダーV3が乗る「ハリケーン」は、重量320kg、最高出力1000馬力、最高速度600km/h、最大10時間の飛行能力など、さらなる高性能化が図られました。 一方、見た目が市販車と変わらない「ライダーマンマシーン」も、原子力エンジンと走行コンピューターを搭載し、最高出力400馬力、重量200kg、最高時速250km/h、40mのジャンプ力を備えていたようです。ちなみに、ライダーマンはマシンをアップデートしていたようなので、番組中でより高性能になっていた可能性も否定できません。 では、改めて専用バイクと、約50年を経た現代のバイク、どちらの性能が上なのでしょうか。現代のバイクでも、「垂直登攀」「何十mものジャンプ力」「飛行能力」といった機能は備わりませんが、「最高速度」「最高出力」は比較することができます。

 例えば、国産バイクではカワサキの「Ninja H2R」は、クローズドコース専用モデルだと、車両重量216kg、最高出力は326馬力。最高速度は海外メディアでは「400km/h以上」と報じられており、サイクロン号に匹敵します。 海外市販車では、アメリカのマリン・タービン・テクノロジー(MTT)社が開発した「タービン・スーパーバイク Y2k」が高性能です。このバイクは、ギネスブックに「市販されているバイクで世界最速」と明記されているほどで、最高出力320馬力を発揮するエンジンにより、最高速度は402km/h(439.35km/hという資料もあり)を誇ります。最高速度だけ比べるなら、サイクロンより速いバイクといえるでしょう。 加速力も凄まじく、発進から15秒で365km/hにまで達します。エンジンは何と、ヘリコプター用のガスタービンエンジンで、走行音はジェットエンジンそのもの。マフラーからの排気熱が高温すぎて、後ろに停車している車のバンパーが溶けたこともあるそうです。

空飛ぶバイクも登場済み

 初代サイクロンが「ジェットエンジン搭載」という設定なので、前出の「タービン・スーパーバイク Y2k」は、原子炉こそ積んでいないものの、これを具現化したようなバイクと言えるのではないでしょうか。バックミラーがなく、リアビューカメラの映像がモニターに映し出される辺りも、空想科学的なバイクと言えるでしょう。 ちなみに、バリエーションとして、420馬力のガスタービンエンジンを備えた「タービン・ストリートファイター」も存在するようです。 なお、より高性能なのが2003年のデトロイトオートショーに、コンセプトモデルとして出品された、ダッジ社の「トマホーク」です。

 このバイク、前後の車輪が2綸備わった4輪車で、外見もまさに異形。エンジン出力は「サイクロン」と同じ500馬力。計測された最高速度は480km/hですが、計算上では時速680km/h(676km/hという資料も)まで出せるといいます。ちなみに10台が市販されており、当時は55万ドル(当時のレートで5636万円)したとのこと。公道走行も可能だと言われています。 車両重量は675kgもあるので、ライダーマシンよりずっと重く、軽自動車に近い重量です。本当に680km/hも出せるなら「ハリケーンより速いバイク」ということになります。現実の社会では活かす機会がなさそうな「超高性能マシン」ですが、空想上の超高性能バイクに匹敵する「トマホーク」の高性能には驚くしかありません。 ちなみに「空飛ぶバイク」も、2022年に日本のスタートアップ企業 A.L.I.Technologiesが開発したホバーバイク「XTURISMO (エックストゥーリスモ)Limited Edition」が登場しています。重量300kg、最高速度80km/hと性能は控えめですが、SF的な外見はとてもカッコよく、また公道走行は無理にもかかわらず、多くの問い合わせがあるようです。ちなみに価格は7770万円です。 技術の進歩により、「夢の乗りもの」が本当に実現していくというのは、「乗りもの」のロマンといえるでしょう。これからもどんな「未来マシン」が登場するのか、注視していきます。

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