「いいんですか!?」アルゼンチンへF-16供給か アメリカが急に舵を切ったワケ 背後に中国の影

2023年7月に入ってから、アルゼンチンにF-16を供給する動きが加速しています。理由はやはりアメリカの安全保障が絡んでいるようです。

ところでアルゼンチンの予算は大丈夫か?

 イギリスの航空宇宙産業オンラインメディアである「フライト・グローバル」は2023年8月15日、アメリカのバイデン政権関係者の話として、デンマーク軍が現在保有しているF-16戦闘機がアルゼンチンに移送される可能性のある重要な承認を与えるつもりであることを報じました。

 関係者の話によると、アメリカ政府は近々、アルゼンチンへ複数機のF-16譲渡を承認するそうです。さらにノルウェーからも退役したP-3「オライオン」を、哨戒機不足に悩むアルゼンチンに譲渡するように求めているそうです。 ほかの海外メディアの数字を参考にすると、具体的な機数は、デンマークのF-16が最大38機、ノルウェーのP-3は4機になるとみられているようです。売却額はF-16が約3億3800万(約500億円)ドル、P-3が約1億1000万ドル(約160億円)。 2023年7月に入ってから、アメリカのアルゼンチンへの戦闘機供給の動きが活発化していますが、これには中国の存在が影響しています。アルゼンチンでは、2015年に「ミラージュIII」戦闘機が退役して以降、超音速戦闘機がゼロになっていましたが、これの候補として中国・パキスタンが共同開発したJF-17が急浮上していました。 同機には、フォークランド紛争以降、アルゼンチンが制裁を受けているイギリスのマーチンベイカー製の射出座席が使われていたため、輸出は不可能と見られていましたが、これを別の部品に切り替える案などを、製造している成都航空機公司が出したともいわれていました。 依然として警戒を崩さないイギリスとは違い、アメリカは1998年にアルゼンチンを主要な非NATO同盟国と定めています。これは、日米安保条約を結んでいる日本や、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、エジプト、イスラエルと同じ扱いです。 そういった安全保障上において重要な国であるアルゼンチンに、中国製の戦闘機が供給されることは好ましくないと判断されたのか、JF-17購入の噂が話題になって以降、アメリカがアルゼンチンにF-16を供給するための動きが加速。一部報道では、アメリカが直々に、イギリスにF-16供給の了解を取ったのではないかとも報じられています。 ただ、アルゼンチンは不況などの影響で、防衛予算が極めて少なくなっていることが度々報じられているため、売却の契約が成立したとしても支払い能力に関しては未知数のままです。

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