「時刻通り通過」の三河安城駅、逆襲へ? 駅前の大型開発が始動 “人が集まる街”へ脱皮できるか

「時刻通り通過しました」の車内アナウンスで有名な三河安城駅ですが、駅前で巨大プロジェクトが始動。“人が集まる街”に進化させようとする動きがあります。

逆襲始まる? 三河安城で開発計画

 東海道新幹線「のぞみ」に乗ると、名古屋駅の手前で「ただいま三河安城駅を時刻どおりに通過いたしました。次の名古屋までおよそ9分です」という車内放送が流れます。時刻通り「通過」されてしまうことで知られる三河安城ですが、これを逆手に取り、“人が集まる街”に進化させようとする動きがあります。

 2023年8月現在、三河安城駅に停車するのは「こだま」のみ。新幹線停車駅にもかかわらず在来線の快速列車すら通過するという珍しい特徴もあります。SNSでは、三河安城駅が「時刻通り通過される駅」として、しばしばネタにされることも。乗りものニュースが過去に「東海道新幹線の駅で最も影が薄いと思う駅ランキング」で、1位となったのも三河安城駅でした。  もともと駅周辺は、新幹線駅の開業をきっかけとした土地区画整理事業によって整備され、居住者が増加してきた経緯があります。駅の利用者数もコロナ禍前までは増加傾向にありましたが、街に人の交流を促すような機能が不十分で、潜在能力を活かせていない課題があるといいます。

駅前で巨大アリーナの建設計画が始動

 そうした状況の中、2023年8月10日(木)、愛知県刈谷市に本社がある自動車部品メーカー「アイシン」とプロバスケットボールチーム「シーホース三河」は、三河安城で「アリーナ建設プロジェクト」を始動したと発表。新アリーナのイメージパースも公表しました。  このアリーナは、三河安城駅から徒歩3分の場所に建設されます。観客席数は約5000席で、「三河安城を中心とした西三河全域の賑わい創出」を目指すとしています。2026年10月頃の竣工を見込んでおり、「シーホース三河」の本拠地としても活用していく方針です。建設予定地にはアイシンの安城工場がありますが、2024年9月までに移転する予定です。  安城市では「時刻通り通過」されてしまうことを逆手にとってPRも行ってきましたが、今後、駅周辺に「スポーツ」という要素が加わることで、新たな交流が生まれて「時刻通り通過」させない街に進化できるのでしょうか。 

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