圏央道 未開通区間の“どでかトンネル”掘削 横浜の住宅街すぐ近くに“世界最大級断面”

上り線側が完了しました。

圏央道の未開通区間「横浜環状南線」工事で

 鹿島建設は2023年8月2日、圏央道の未開通区間の一部となる「横浜環状南線」のうち、「釜利谷庄戸トンネル工事」の上り線トンネルの一部区間において、NATM(New Austrian Tunneling Method)工法で施工する道路トンネルとしては世界最大の断面積485平方メートルの掘削を完了したと発表しました。

 横浜環状南線は、横浜横須賀道路の釜利谷JCTから西へ、国道1号に接続する戸塚ICへ至る約8.9kmの高速道路。途中の栄JCTで藤沢の新湘南バイパスへ通じる「横浜湘南道路」に接続し、この2路線で圏央道を構成します(※本稿で未開通のIC・JCTは全て仮称)。 このうち「釜利谷庄戸トンネル工事」は、釜利谷JCTから横浜環状南線へ接続するランプと本線の約1kmほどをトンネルで構築するもの。JCTのランプトンネル4本が最小離隔60cmで並ぶ「4連区間」、2本のトンネルが分岐合流し大断面トンネルとなる「分合流区間」、最小1.7mという低土被りの矩形トンネルとなる「低土被り区間」の3区間で構成されるといいます。 世界最大級の断面になったのは、このうち「分合流区間」の上り線の一部。3車線のトンネルと2車線のトンネルが並び、それらを包み込むような断面の箇所です。最大幅29m、最大高さは20mに及ぶそう。これを上下2段、上半分はさらに2段に分けて部分的に施工し、掘ったらすぐにコンクリートを吹き付けて安定させることでトンネルの変形を抑制しながら掘削したそうです。 今後は、掘削断面積370平方メートルとなる下り線トンネルを、今回の最大断面となった上り線トンネルに並行し、最小離隔1.0mの位置に施工するとのこと。「超大断面トンネルの近接施工は難易度の高い工事」だとしています。 なお、横浜環状南線を含む圏央道の開通見込みは現在、白紙化されていますが、このトンネル工事の工期は2026年8月までとなっています。

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