関西の”道路の常識”変える? 事業化待つ3本の「高速新ルート」とは

関西には、事業化を待つ段階となっている、巨大な新道路プロジェクトがあります。開通すれば、交通流を大きく変化させ、関西の道路の“常識”を覆すかもしれません。

新たな新道路ネットワークの計画

 関西で進行中の大きな道路整備プロジェクトと言えば、新名神の最後の未開通区間「大津~高槻」や阪神高速「淀川左岸線(II期)」などが工事の最盛期を迎えており、開通に向けて期待が高まっています。 ところで、まだ整備することが正式決定したわけではない新道路プロジェクトも。中には、関西エリアの交通を大きく変えてしまうようなインパクトのものもあります。

●名神名阪連絡道路 名神高速の八日市ICから南下し、新名神の甲賀土山ICを経由して、名阪国道の上柘植ICへ接続する道路です。関西~中部の3動脈を縦につなぐだけでなく、関西の新たな南北軸として、和歌山・奈良・三重と北陸方面を最短距離で直結する役割にも期待がかかります。 このルートは水面下で2001年から調査が進められていました。具体化へ機運が高まり始めたきっかけが、2020年に国土交通省近畿地方整備局がはじめて「計画の具体化に向けて滋賀県及び三重県と連携して進めます」と明言したこと。2022年には「重要物流道路」候補区間へ指定されました。 2023年に入り、滋賀県と三重県の合同で、概略ルート検討が始まっています。事業化に向けた都市計画決定・環境アセスメントのさらに前段階である「計画段階評価」に至るさらに前段階の状況ですが、「一歩、足を踏み出し始めた」と言ってもいいでしょう。

神戸方面でも混雑緩和の新動脈が

●名神湾岸連絡線 名神高速は兵庫県西宮市で阪神高速3号神戸線に接続し、終点となっています。これを南へ約2km伸ばし、5号湾岸線へ到達させるのが、名神湾岸連絡線です。 大動脈の交通が3号神戸線へ流入し混雑が激しいため、5号湾岸線へ分散させる目的があります。さらに、堺・関空方面へも直結することとなります。 現在は、事業化の一歩手前である都市計画決定・環境アセスメントのうち、都市計画の素案が作られた段階。ひとたび事業化すれば、総距離も短いため「着工から8年で完成」と見込まれています。 もっとも、5号湾岸線は六甲アイランドで途切れており、現在進行形で湊川方面への延伸工事が始まったばかり。神戸市内の混乱を避けるため、まずこの開通を見届けたあとで、名神湾岸連絡線が開通することになるでしょう。●播磨臨海地域道路 関西~中国地方の大動脈は中国道と山陽道ですが、神戸・明石・姫路方面を相互につなぐ高規格道路は第二神明道路~加古川バイパスのみで、国道250号(明姫幹線)と合わせて朝夕を中心に慢性的な渋滞に悩んでいます。 広大な播磨臨海工業地帯の重交通のキャパシティを確保するため、臨海部で計画されているのが播磨臨海地域道路です。第二神明の明石西IC手前から分岐し、山陽電鉄よりもさらに海側の工業地帯を直接つないでいく概略ルートで、姫路市内の広畑まで到達します。途中で北へ分岐し、播但道起点の姫路JCTへ直結する支線もあります。 2013年から具体的な検討の動きがはじまり、現在は、事業化の一歩手前である都市計画決定・環境アセスメントの手続きが進められている段階です。順調に進めば、他の2つの路線よりも早く事業化に漕ぎつけそうな進捗と言えます。

externallink関連リンク

【完成すれば関西が大変化!? 「3つの新路線計画」ルートを見る】 かつて名神高速にあった「魔のカーブ」とは 事故多発で一部が廃道になっていた名神 一宮JCT渋滞の先で「中央分離帯バキバキに壊してます」 名神の"コスパ高い渋滞対策"とは
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)