ベティスMFカナレスのメキシコ行きが決定…ラ・リーガでの“壮絶な冒険”に幕「僕のことを忘れないでいて」

 ベティスは24日、同クラブに所属するスペイン代表MFセルヒオ・カナレスが、モンテレイ(メキシコ1部)へと完全移籍することを発表した。

 1991年2月16日生まれのカナレスは現在32歳。2008年夏にラシン・サンタンデールに“彗星の如く”現れた天才児は、トップチーム昇格からわずか2年でレアル・マドリードが獲得に乗り出すほどの“スター”へと成長した。しかし“銀河系軍団”ではその輝きは小さく、2011年夏にバレンシアにレンタル移籍加入。そしてそこで待ち受けていたのは、過酷な試練だった。開幕節からコンスタントに出場していた同選手は、第9節で前十字じん帯を断裂。約7カ月のリハビリを経てシーズン終盤戦に復帰したものの、その直後の試合で再び前十字じん帯を断裂してしまう。翌夏には完全移籍に切り替わったが、加入後最初の2シーズンの公式戦プレータイムは1400分前後にとどまった。

 その後はバレンシアで徐々に定位置を確保すると、2014年冬にレアル・ソシエダへと完全移籍。ここでも主力に定着するも、またしても大ケガに見舞われる。2015-16シーズンのラ・リーガ第17節レアル・マドリード戦に先発出場したカナレスは、左ひざを痛めて途中交代。かつてスターダムを駆けあげる夢を見た『サンティアゴ・ベルナベウ』のピッチでキャリア3度目となる前十字じん帯の断裂となり、8カ月の離脱を強いられた。

 2018年夏に、契約満了に伴いレアル・ソシエダを退団したカナレスはベティスに加入した。転機となったのは同郷の先輩でもあるキケ・セティエン監督との出会いだ。開幕節からスタメンに抜擢されると、同シーズンは公式戦46試合に出場し9得点3アシストを記録。この活躍により2019年3月には、28歳でスペイン代表に初招集された。キケ・セティエン監督退任以降も、生まれながらの一級品のテクニックと、ケガを糧に手にした豊富な運動量で中盤を支配。2021-22シーズンは公式戦8得点12アシストとゴール関与数(得点+アシスト)でキャリアハイを叩くともに、ベティスを17年ぶりのコパ・デル・レイ(国王杯)優勝に導いている。

 在籍5シーズンを過ごしたベティスで、公式戦通算207試合に出場し39得点30アシストを記録。15シーズンに渡りプレーしたラ・リーガでは、通算384試合に出場し49得点51アシストを記録したカナレス。スペインでの壮絶な冒険に終止符を打った“不屈の天才児”は自身の公式Twitterにて「心からの感謝を。ありがとう。僕の人生の中でみんなのことを決して忘れないから、僕のことを忘れないでいて」と胸中を明かした。

 なお、モンテレイとカナレスの契約は2026年夏までの3年間で、1年延長オプションが付帯している。スペイン紙『マルカ』によると、1000万ユーロ(約16億円)の移籍金と700万ユーロ(約11億円)のインセンティブとのことだ。

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