
<メモリアル・トーナメント 事前情報◇31日◇ミュアフィールド・ビレッジGC(米国・オハイオ州)◇7571ヤード・パー72>
今季の“格上げ大会”の一つに出場するローリー・マキロイ(北アイルランド)が、開幕前日の公式会見に登場。2週前に「全米プロ選手権」を制したブルックス・ケプカ(米国)が9月の「ライダーカップ」に出場することを支持した。
「ブルックスはもちろん米国チームに入るにふさわしい選手だ。ポイントを獲得したのが2試合でライダーカップ・ポイントも2位。ブルックスのプレーはすばらしい」とマキロイは称える。昨年6月に開幕したLIVゴルフはライダーカップ・ポイントの対象外。つまりLIVゴルフに参戦する選手は現状ではメジャー大会のみで、そのポイントを稼ぐ必要がある。ケプカは4月の「マスターズ」で2位、そして全米プロでメジャー5勝目を挙げ、ポイントレースで2位に浮上した。
一方、マキロイは欧州チームへのLIVゴルフの選手の参戦には否定的。「欧州チームには違った感情を持っている。彼らは欧州チームに入るべきじゃない」とした。その理由は2チームを管轄する団体の違いにある。
米国チームは全米プロなどを主催するPGA・オブ・アメリカ(全米プロゴルフ協会)が主催し、LIVゴルフの選手も同協会のメンバーとして認められている。ライダーカップの米国チームに入るにはPGA・オブ・アメリカのメンバーであることが必須。しかしPGAツアーに出場できない彼らがポイントを得る大会は限られている。
一方の欧州チームはDPワールドツアーが主催。欧州チームメンバーに入るにはDPワールドツアーのメンバーでなければならない。セルヒオ・ガルシア(スペイン)、イアン・ポールター(イングランド)ら多くの選手がDPワールドツアーのメンバーから離脱しているゆえに認められないというのがマキロイの主張だ。
ただしポイントで米国チームに入るのは上位6名だけで、出場が確定するのは8月20日。PGAツアーに参戦できないケプカがトップ6に残れるかは、この後のメジャー「全米オープン」、「全英オープン」での成績次第となる。
今年9月に、イタリアのローマで開催されるライダーカップでは、敵地で30年ぶりの勝利を目指す米国チーム。主将のザック・ジョンソン(米国)がキャプテンピックでLIVゴルフの選手を選出するのか、その動向にも注目が集まる。(文・武川玲子=米国在住)