LRT化なぜ断念? 城端線・氷見線に「新型鉄道車両」導入目指す 線路は結局“今のまま”結論

「城端線・氷見線LRT化検討会」は、同線のLRT化を断念し、「新型鉄道車両」の導入を目指していく検討結果をとりまとめました。どのような背景があったのでしょうか。

LRTにはない「鉄道車両」の利点とは?

 富山県を走るローカル線、城端線と氷見線のLRT化を検討してきた「城端線・氷見線LRT化検討会」は2023年3月、同線のLRT化を断念し、「新型鉄道車両」の導入を目指していく検討結果をとりまとめました。

「城端線・氷見線LRT化検討会」は、沿線自治体やJR西日本で構成。2023年3月30日に富山県高岡市で開かれた6回目の会合で、これまでの検討結果を踏まえた結論が出されました。 城端線・氷見線をLRT(架線レス蓄電気式)化する場合の費用は約421億円、新型鉄道車両は約131億円、BRT(バス高速輸送システム)は約223億円と試算。年間の維持管理費や赤字額も鉄道車両の方が少ない結果となりました。  LRT化でなく、新型鉄道車両を導入するメリットとして、既存施設の活用が可能なため運休・バス代行が不要であること、LRTよりも重量があるため冬季運行のリスクが低いこと、あいの風とやま鉄道への乗り入れが可能なことをあげています。新型車両の車両数は26両を想定しています。  新型鉄道車両の事業費は約131億円ですが、城端線と氷見線を直通化する場合は約30億円が上乗せされ、約161億円となります。2016年度に城端・氷見線活性化協議会が実施した調査によると、両線の直通運転は日中便を中心に、4~8往復が可能としています。直通本数が限られるのは高岡駅を介した直通が平面交差となるためで、立体交差化は長距離の高架区間が必要になり、支障となる用地や建物の規模が大きいため困難としています。 検討会では、新型鉄道車両導入に向けた今後の取組みとして、国の新たな支援制度の活用も見据え、運行本数の増加、交通系ICカード導入、両線の直通化などを検討していく方針。関係者間の役割分担や責任分担も検討していくそうです。それに伴い、検討会は発展解消し、富山県と沿線4市、JR西日本を中心に新たな検討組織を設置する予定です。

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